九六の匣

さまざま詰めこんだ匣

【九六式落語風】『又酒飲んだ?』

【九六式落語風】『又酒飲んだ?』


え~お早いおはこびを
お馴染みの酒好きの八五郎と大家のお噺を~

どこにも酒好きという輩がいるもんでぇして、暇さえあれば昼盛りから、クダなど巻いて呑んだくれでいる奴を巷でよく見かけるもんですなぁ。わたしなんか避けてとおるんですが、よけた方へと千鳥足。カカア質に入れても酔っ払っている御仁は、そうやたらいるもんでないんですがねぇ。

まぁいつもの長屋におりますところの八五郎はといいますと、縄暖簾片手に飲み屋の女に声を掛けられるともうたまりません、肩で縄をくぐるやいなや、グィとばかりに2~3杯ひっかける。これが又たまらねぇとまらない。弱い性格というか、でれしねぇというか女房泣かせの困ったやつでして、でも…ヒトはいいんですよ。呑まねぇときはですよ。

つい先日も「でていけぇ、このトンチキ女ぁ」なんてことで危なく女房から三くだり半ってな事になりあんして、奥方、それほどのもんじゃありませんがプイとでていっちまった。
大家といえば親も同然、みかねて間にはいって なんとかぁ収めたんですがこれが拗ましてな、このままじぁいけねぇと奥方と算段しましてな 一度懲らしめに灸をすえてやろうとなりましてぇ、
「ハチ!こままだと怖いモノにあうよ、お化けとか幽霊といった類じゃあないよ、本当に怖いのは生霊というか人間さまだよ、特に口裂け女ってのがいけませんなぁ」
「てやんでぇ大家さん、あっしゃーこのかた怖いモノなんざぁみたことねぇ」
「八五郎や、いつ何刻出会うかもしれないよ」
「でてからオドロク 酒はドブロクぅ ロクロックビぃ」
「まぁ、とにかくだなぁオカミさん迎えにいっておいで、酒は呑んじゃあいけねぇよ」
てなことでシオシオ出かけていきましてな

暫くして真っ青になった八五郎が股引おとして帰ってまいりました。
「どうしたい、顔が真っ青だよ」
「…どうもこうも、あいつを迎えにいったんです」
「それで女房はみつかったのかい」
「へぇ、途中でみかけて後をおっていったんでぇ」
「そうかい、じゃあ謝ったたんだね」
「それがぁ…、後ろを歩いていると、あの野郎おかしな小屋に入ったです」
「小屋ってぇと芝居小屋かい」
「なんか胡散臭い、あれですよ」
「あれって浅草橋の見世物小屋のことかい」
「そ・そうなんでぇ、俺の知らぬ間に誰かと逢引なんて勘ぐったんですが」
「なんだよ、お前のカミさん、たしかに器量は悪いし顔はもっと悪いよ」
「な・なんもそこまでいわなくても 大家さん」
「するわけねぇし、されるワケがないよ、お前の稼ぎが悪いから小屋で手間仕事してたんだろうよ」
「はぁ、そんで酒でもちょいとヒッカケ、どやしてやろうと…」
「また酒かい」
「いやいや、そう思ったけど、いつまで経っても出てこねぇ。
そのうち小男が番台にでて、これは口上をいうんだよ。
それがまた上手で、怖いものみたさもあって」
「おやおや、すると何かい、小屋の番台の上で-さぁ寄ってらしゃい、観てらっしゃい-って言われて入ったのかい。八っぁん。」
「大家さん、そうなんですよ。あっしゃーね、呼ばれるとぎゅっとなるほど弱いんでぇ」
「それで呼ばれてどうなったい」
「へぇ、それでね、小屋の中にへえったんです。そりゃあ薄暗いったらありゃあしねぇ」
「真っ暗なんだね」
「大家さんきいてくんなさい。暫くするとボーと蝋燭が灯ったとおもいねぇ」
「おやおや、お化けでもでたかい」
「ヘヘン、こっちゃあ浅草産まれでぇ、矢でも河豚鉄砲でもきゃがれーっと、かまえたらぁ」
「構えてどうした」
「大きな戸板にぃ…」
「ははぁ知ってるよ、血がべっとりと…だろう?」
「大家さん、あせっちゃいけねぇよ」
「違うってのかい、おおいたち」
「そんなもん驚くかぁてなもんだ、戸板の上にねぇ。に・に・女房がぉ笑った顔で大口をあけてぇ…」
「おおこわ、勘弁しておくれよ。そりゃあ口裂け女だよ」
「ち・ち・ちがうんですょょょ。
本当に怖いのなんのって ま・ま・また裂け女なんですよぅ」

「なんだって、 またサケのんだぁ?」

おあとがよろしいようで、


座布団、とっておしまい!

太鼓っ、笛~っ お囃子~っ
三味線はいいよ ひいたから

九六
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  • 2012/03/15(木) 10:52:27 |
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好きなものを自由に書く、読む、観る、描く。そして遊び愉しむ。
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