九六の匣

さまざま詰めこんだ匣

【漫画発掘】『ММを探る』(67号への暗号)

【漫画発掘】『ММを探る』(67号への暗号)


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①風漂花/マインド・ワーク 1 (五柳叢書) ММ (1987/8) 新品¥ 1,029 中古品 ¥2,869~【1200+290/1490】
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完全図解/冥想HOW TO (心の健康シリーズ) 内藤景代/ММ (単行本1986/8)中古品 ¥ 13~

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君よ心の師をもて―人生の道を開く指南書(チクマ新書)松原哲明/ММ(新書1984/9)中古品 ¥ 1~

なぞのヘソ島 (心のおくりもの①)橘川幸夫/ММ(大型本1988/2)中古品 ¥ 2,600~【●】

水滸伝①~⑤ (グロ-バルコミックス) ММ/久保田千太郎
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④あかつきの梁山泊(単行本1980/5) 無【●】
⑤荒野の無宿者(単行本1980/8) 無【●】

百馬鹿 (小学館文庫) ММ(文庫1977/4/20) 無【●】

老子・荘氏・

松原哲明
橘川幸夫
久保田千太郎 水滸伝
しかたしん 国境
内藤景代 瞑想



九六


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【歩句】『花一輪』()

【歩句】『花一輪』()

カワズザクラ⑥部分081-G氏写




縁台の 夢やてまくら はな一輪




もう咲いたのですか…

九六
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九六式落語風『与太郎の意気地/大江戸人情噺』

九六式落語風『与太郎の意気地/大江戸人情噺』



当節、落語に登場する人物…ってほどじゃありませんが、
こんな方(キャラクター)がいたら面白いと云われますのが、
与太郎さんでございます。

でぇ皆々様は与太郎ってのはある程度ご存じでしょうけど、
どうもどこか一本抜けてるというか、意気地がない方ですなぁ
だらしのない或いは気概のないフニャラカなひとを指しますんで。
でも、はっきり言って傍にいたら迷惑、戸惑いますなぁ。
今でいいますとチャラチャラしてますからチャラボンですかね。
それに何事にも熱くならず夢中にもならない、つまりのところ幸せなんですな

場所はどこでもいいんですがぁ、
取敢えずぅど真中は日本橋の外れ小網町、与太郎がヘラヘラ・アヘラヘラとやって参ります。
まあ決して身分格式は卑しからず、とある由緒ある店(タナ)のボンボン、つまり若旦那ですな。

銭には困らない。それに絡むのが銭に不自由な…ら・落語家…あらら、指さしちゃいけませんよ。
そうそう 貴方、そのしたたり顔で頷いた方、頷きかたが与太郎が得意とするかたちなんですなぁ。

まあお聴きなさいよ。
朝も早よから夜半まで、白塗り人形町置屋の芸者衆を引連れては大騒ぎ。
でも江戸気質の芸者衆てえと、ずばりとした啖呵をきる…ところなんですが、
金があるから寄ってくる訳でないんです。

♪どこぞの殿も鐘(金)に言わせるぅ刻の鳥、音(値)のはるひと夜も愛しけり♪
字あまり♪
即興でつくってみましたが、

つまり与太郎が愛しくてたまらない。ご当地のアイドルですな。
ひとを恨んだりせずに、なにをされても根にもたず 金払いは良い、我が世の春と能天気。

親の傘下、日焼けはせぬが せんなりの瓢箪 色はしろくて ぶら下がり 

「おい与太ぅ!与太ぅ」
「わちきの渾名を呼ぶそなたは、タレかいなぁ」
「おいおい、俺だよぅ、幼馴染の俺様だぁ」
「アララ、留さぁん、留吉さんでないかいなぁ」
そもそもこのふたり、長屋に住むところの留吉は大棚の泣き虫与太郎を昔から兄のように庇ってきたと思いねェ

「あら留さ~ん、お久ぁし…ワカシ?イナダ?ワラサ?鰤! そうよ鰤(ぶり)よ」
「鰤かいそろそろ味がおちらぁ、なんだなぁ、四六時中オメッチは元気だなぁ。」
「なによ、あたいは何時も元気ですよっ」
「いいなぁお前は、意気地なしは治ったのかい」

「どうしたのさぁ為吉さん、肩が地面におちてるよ」
与太郎が、拾う真似して耳に息を吹きかける。
「ぬあんだ、陰間(男色)じゃぁねえんだぞ、よしなって、擽(くすぐ)ってえよ」

ところが留吉、なにか事情があるらしく言葉の割にしょ気ている。
「留さあん、どうしたのさ、おかしいよ」
「なぁに、馴染みの女郎と朝までしっぽりと…はぁ~」
「紙風船でもあるまいし、萎んでるよ このひと」
きゅっと握ったが、嫌な顔もせず
「実はよぅお前、いや与太郎さんに頼みがあるんだ」

襟をかえして頼みごとぉ
「頼み事と言われちゃ聴きずてないわねぇ で何のこと」
「お・女ができてな。照れちゃうぜ」と小指をたてて
「あらら、いいんじゃない」
「吉原の手前の安女郎をさぁ…いや~照れちまうねぇどうも」
「なんだよぅ、そこまで言って止めちゃいやだよ」
「……身請けをしようと金算段、賭場に運をかけてみたんだ」

ここで噺が重くなったというか、永くなるなと
与太郎は芸者たちに中村座に先に行くようにかたる。
当然 太鼓持ちの輩も一緒で賑やかに去っていきますんです

二人きりになりまして、朝からやっております不動稲荷の茶屋にはいります。

「それは難儀ですね、惚れた弱みに起請文、二の腕刺青ぃ、なんて書いてるの?」
「これかい、お松命っなんでぇ。俺は文字が読めねぇが」
「う~ん…でも賭場はどうなったのさぁ」

「へじめはついてたんだ、これで手付も払えるなんてね」
「それでぇ」
「憑きの神様に見放されてぇ尻の毛まで抜かれ、下手をこくと海苔巻、太巻き、簀巻(すまき)になっちまう」
与太郎も合鎚をうって身をのりだす
「それから…最後の勝負と親方から預かった一両」
「丁?半? どっちよ」
「なんでぇそんな噺じゃぁねぇよ、白山稲荷の境内からとびおりたぁ」
「なんだぁ負けちまったのかい」
「いやいやぁ、あたったね、倍の二両になった」
「なぁん~だ、じゃぁ しょげることないじゃぁん」
「ただよ、人間というもの欲がでる。もすこしあれば新所帯の家具一式ぃ」
「またやったのかい丁半博打ぉ」
首を横にふりふり
「三十両もあれば、あいつを足抜けしてせずとも身請けができらぁ」
「なんだよ、風のふくままぁ、宵越の銭は…なんてことじぁなぃね」

「実はよぅ、くじ…」
「クジラ? 鯨がどうしたの 汐でもふいたかい」
「籤だよ、富籤ぃ」

噺はこうなんです。二両もってホットして帰路についた為吉が境内で売られている富籤に目がいった。当たれは百両、おれはついてるとばかりに一両を富札にかえ,すでに壱百両が当たった気分。最初はうかれていたが、やがて、止めりゃあよかったと足元トボトボときたところに与太郎に出逢ったとい訳なんですなぁ。

「みせてご覧よう、なになに…へ組の九千三百十四…」
「与太郎、どうだい当たるかなぁ」
「当たるも八卦、当たらぬも富籤。でもねぇ への九三一四とは屁の臭いよだよ」
「臭いよだってぇ、消えて無くなる屁のようだぁってかぁ」
「あたってくんなきぁ困るんだよ。厠にいっても屁しかでねぇ、運は残ってる」

「それでいつ籤のお披露目なのさ」
「もうすぐでぇ、今に大太鼓が刻を打つ、するっていと俺は金持ち」
「あらいいねぇ」
「そんでオイラ様子を伺いにいってくるんだが、お前も一緒に来てほしい」
「なんだぁ、そんなお願いかい」
「ひとりじゃとても心細くていけねぇ。なんとか…ひとつ」
「銭の無心かとおもいきゃあ、いいよいってあげる。あたいも一度いっみたかったのさあ」
「へへっわるいねぇ」
いくら幼馴染の為吉に、銭を貸してくれといわれても、おとっつあんに頼まれた支払いの懐の金子、頼まれても貸すことはできぁせん。こんどのこんどは本当に勘当されちまうに違いない。

留吉が与太郎と共に境内に踏み込むと、なんとひとひとひとが蟻のように群がっているんですなぁ。
強欲というか、銭に目がくらみ 人というものは難儀なものです。
与太郎にしてみれば銭の苦労はしたことがないからひょうひょうとしている。

あまりの混みように、留吉はまえにもまして自信を失して
「いやーいるところには いるもんだなぁ」
「地獄の亡者さまさまですね」
暫くしますと太鼓の音色がかわりましてな、
トントコ、トントコ…次に大きくドォーンとばかりに鳴り響く。
願う者あり踊りだすものありでお祭り騒ぎ。

さても口上が述べられると、急に静まって各人々が一点みつめぇてぇ札を握りしめぇ

杖の先に尖がった錐が籤箱の中へグサッとばかりに突き刺して
番号の書いた札を天高く…読み上げがはじまります。
どどどーとばかりに駆け寄って血走る眼(まなこ)。
『へ組のぉー♪』
   「へだってよう」
『九千とぉ♪』
   「おい、なんてった、九千だとよ」
   「ほんと」
『三百ぅ♪』
   「おれっち、もう駄目。息がとまる…」
   「ほら拾だして」
『拾ぅ♪…とぉ♪』
   「死んだ、もう死んだ。これまで同じだな」
   「嗚呼、への、くさい…」
『七番ぁーーーん♪』
   「へのくさいな! な・な・七番????!!!!」

辺りはどよめき、おろおろ泣くは叫ぶはの阿鼻叫喚のありさまぁ。

ふたりとも上気して熱くなったはいいけれど
留吉はへなへなと座り込むみ 口をあけたまま動けない、

「な・な・七番、なんだって四番じゃあねぇの」

「嗚呼ぁ為さん、元気だしなよ」
「………」
もう一言(いちごん)もない、どうせなら全部がはずれりゃ諦めもつくがぁ
最後のさいごのいたちっぺ

もうアイツと手をとり逃げるしかねぇ
そこまで追い込まれて与太郎の顔をみあげりゃ

「ねぇ、あたいもそうだったけど、世の中、捨てた神ありゃあ拾う神。その空籤をあたいに売っておくれでないか」
と上気かげんの清まし顔。
誰も見向きもしねぇ外れ札を売ってくれといわれりゃあ、そりゃあ驚くわな。

「…な・なんだって、一文にもならねぇ籤札を」
「おっと、ここに、おっとつあんに預かった…それは内緒だよ、三十両があるんだけど…」
「おいおい馬鹿なこといっちゃあいけねえよ、そんな銭ぃ」
「どうせ、おとっつぁんから いつかは追い出される身、為吉兄さんのためになるなら本望だよ」
「おいおい…何をとち狂って…なっ、おちつけ」言ってる本人が落着きがない。

与太郎、為吉の口に指あて
「転がり込むのはどうせ兄さんの処、賃料の前払いなら御の字」
「与太郎、いや与太郎様よー」
「さあこれを持ってお松さんを迎えいっておくれでないか」
涙の為吉、言葉を返すこともできない。

一度だした銭、買う買わないの一悶着。
最後はおれましたねぇ為吉っあん

まあ、いいことはやっておくもんですなぁ
どこかのお偉いさんじぁありませんが
「わくわくどきどき感動したっ」ってね

「わたしゃあ生まれて初めて興奮したよ、良い夢みさせてもらったからね。ほんと感動したわいな」

感動どころか、勘当されるやもしれぬ、初めての与太郎の意気地


という大江戸人情噺の一席でございました。




なげーや。
おもろくねぇ…かいちまったもん 仕方あんめい。筆がおれちまったよぉ

そぞろ歩きも 独りじゃいやよ みちゆきの 好いた惚れたは 柳かぜ

長屋の春はちこうござんす。

九六

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【本棚】『少年倶楽部/昭和十五年~十七年』(九冊)

【本棚】『少年倶楽部/昭和十五年~十七年』(九冊)


昭和15年5月号
少年倶楽部S15‐5月号01-少年倶楽部S15‐5月号02

昭和16年新年号
少年倶楽部S16‐1月号01-少年倶楽部S16‐1月号02

昭和16年8月号
少年倶楽部S16‐8月号01-少年倶楽部S16‐8月号02

昭和16年10月号
少年倶楽部S16‐10月号01-少年倶楽部S16‐10月号02

昭和17年4月号
少年倶楽部S17‐4月号01-少年倶楽部S17‐4月号02

昭和17年5月号
少年倶楽部S17‐5月号01-少年倶楽部S17‐5月号02

昭和17年7月号
少年倶楽部S17‐7月号01-少年倶楽部S17‐7月号02

昭和17年8月号
少年倶楽部S17‐8月号01-少年倶楽部S17‐8月号02

昭和17年9月号
少年倶楽部S17‐9月号01-少年倶楽部S17‐9月号02


表紙と裏表紙をセットにして表示してみた。
軍事色が濃くなっていくのがみられる。


少年倶楽部S15.16.17◎

金額は前回の昭和8年と同様の五十銭、厚みは半分の1cm位である。
こののちにガリ版印刷の少年倶楽部もあったという、多くの子供たちは闇の中へと押しやられていった。そんな時代であるが、この本を手にとった子供は裕福な家庭であったという事も忘れてはならない。


九六


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『今日の31日は…』

『今日の31日は…』

 本日の31日は実は仙台に赴く予定でしたが、持病悪化(※)のため延期せざる得ません。天候も悪く独りで車で往復するのには気苦労が多々あり、友人各位に連絡した手前、勝手ながら四月の桜見物にかこつけて行きたいと拙者思うのです。誠にお許しの程ご容赦あらんことを願い ご通知いたします。

※死ぬ程のことはない。足だけが…体も以前から膨れている。

ゆく楽し わが身の辛き ことわりに しいておもいぞ 春はいそがじ

九六
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【本棚】『少年倶楽部』(昭和八年新年~三月号)三冊

【本棚】『少年倶楽部』(昭和八年新年~三月号)三冊


珍しいものが3冊て仲間になりました。
復刻版かもしれない、新しすぎるのである。復刻は箱入であったのを想い出すが判らないほど精巧なのかもしれない。代価は高からず実に奇麗な蟲てすよ
。内容は後日に掲載予定です。田舎には左様なものが未だあるのかもしれない。

昭和8年1月号
少年倶楽部S8‐1月号01-05-8-①少年


昭和8年2月号
少年倶楽部S8‐2月号05+-8-②


昭和8年3月号
少年倶楽部S8‐3月号05-8-③


8-①②③

昭和8年当時の定価五十銭 厚み2cm 昭和16年の同誌は五十銭で厚みは半分です
重量感があり、三大付録付と書いてある。なんと凛々しいなぁ。

以前にも紹介したのですが、この他に年代の異なる9冊があります。
それは次回にしよう。

九六


※続けてご覧の方にはお判りになるっているとおもいますが、3冊は判ったが、後の一冊はなんなのかという疑問が沸々とわいてきますね。それは今後の愉しみだーのこころ。
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【漫画蟲蔵】『高室弓生の棚』()

【漫画蟲蔵】『高室弓生の棚』()

縄文時代を背景に清々しいまでも自然に包括された世界観を醸し出す作家ですね。
東北出身のかただけあってなにか温もりをかんじます。

まずは作品をみていただこう。

高室弓生③-高室弓生②

高室弓生① 縄文物語①わのきなとあぐね-カード2枚とサイン

高室弓生⑤縄文物語②わのきなとあぐね

この他にも「宇野千代監修/遠野物語」がででいますが未読です
別バージョンのというより先に出版されたかもしれない「縄文物語」がありますが未確認。


今回の三冊はぜひ一読をお奨めします。

「ニタイとキナナ」         
「縄文物語―わのきなとあぐね」   
「劇画古事記-神々の物語」

なんだってすごくいいべさ!!
へば またな


九六     

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『古書店のすすめ』

『古書店のすすめ』()


 最近、町に出かけることが少なくなったが、行きたい場所がある。

それは古書店、つまり古本屋である。新刊書は大型店が南北にできて行くといつも繁盛している。本の数が大量にあるため求める書物を選べるし、最近は店内の照明も明るく飲食店も併設され、気軽にいけそうな娯楽施設の雰囲気でスペースを利用した歩く運動まで叶えてくれるのです。

でも本当はあの暗いイメージの古書店が大好きなんです。ホコリがやや沈んで書籍の上に時間を落としていく。嫌がるひともおられるでしょうが、それがまた好奇心と探検気分を倍加させてくれるのです。

横積みになった下から五冊目や紐にしめられぞんざいに積まれ、その挟まれたなかから何年も動かした形跡のない本が突如として顔を覗かせる。それが今回の購入となったのです。

普通の書店とは違って値引き可能な世界なのです。だから決して相手に値段を聞いてはいけない。まずは店内を一巡り半、歩みを止めて屈み探索する。めぼしいモノがあっても素通りする位の勇気はひつようなのだ。

もう半周を緩やかにすすみあの本を手に取る。一回放して再度開く。そしておもむろに口をひらく。例えば2千円の続きものを見つけたら大胆にこちらから千円でどうかと切り出す。私は後ろのページで値段は知っているが、主人は本を私から受け取りながら 指を顎にあてて考えている。
その時に遅れてはいけない、三冊まとめて購入したいがと ことなげにいう。沈黙が一分はない。即座にぜひにとも言わないで、顔にいささか困った顔をつくりながら承知したという言葉が返るかもしれない。その時もう一言、別の本をとり、これも千円にならないかと初めて気弱にねだる。

こうして今回は四冊を無事に家につれてくることができた。
でも最後の一冊は本当は狙っていたもので裏には2800円と記してある。そこでもう一言もっと安くならないかなぁと空に向かって言うと、それ以上は生活があるから負けられないと答える。

首尾よく購入したが、逆に睨まれることもあることを何度も経験して十分に知っています。

程よく在庫処分に手助けして、私も安価な書籍を手に入れて万事好都合ということだが、金はすぐには払わない。つまり持ち合わせがないというか、最初から財布に入っていないのだから私も困ったひとだ。大金を持っていると気が鷹揚になり値踏みに負けるやもしれない。30分後に近くの銀行から引出して、それから支払いとなる。

本当の話かって、創作に決まっています。
それじゃあ私は阿漕な越後屋ってことになるわげですな。ところで、お代官様はどこにいるの。…うしろじゃあ、越後屋ぁお前も相当の悪よのう。てなとこで後は仕掛け人に殺される訳ですな。


確かに今の時代、古本屋さんは大変なのだ。大型店に客はとられる、若者は本を読まないでパソコンに頼ってばかりなのだ。世の煽りをくらっては虐められ、わたしみたいな者に厳しく値を叩かれ これじゃ閉店を余儀なくされるのはみえている。

しかし古書店には私をかきたてる不思議な力が存在する。それは書籍についての会話である。前の人が何故に愛着のある書籍をてばなしたのか、そこには世間話や人柄がにじみでてくるからである。主人との会話は豊富で面白く奇々怪々な話を聴けるのだ。こうやって購入する本に歴史を擦り込んでやるのも楽しい。後でこの本がこうやって手に入れたなんてのを棚から眺めているはずだ。

昔は冗談で厚い本を買え、字の多い本を選べなんて言ったもんだが、小さいと疲れて眠くなる。そこで枕代わりの分厚い本が登場することになる。

本当かって、嘘に決まってます。

今の時代本当に読まなくなったかというと違います。新書の大型店に行ってごらんなさい。ひとがどこかしことウヨウヨしています。皆さんが手に新しい紙カバーをつけて、いかにも本は持っているが題名は見せないぞという健気な様をご覧になったことがございましょう。
一番安価な娯楽なのです。もうすぐ電子書籍が巾をきかしてくると思われますが、本の逆襲も始まっているんですぞ。本を馬鹿にしてはいけませんです。

とにかく、パソコンじぁ…枕にならないですよ。読んでみあきたら、ぜひ小さな古書にも光をあててくださいませ、新しい主人がやってくるのをつぶらな瞳で待っているはずです。
そんなにも古本屋の肩をもってるなんて誤解しないでください、体ごと持ち上げているんです。

本は機能的にあなたを支えることもお金もだしません、しかし心の潤いにはうってつけです。
それにつけても、あの不可思議な空間と書肆を見捨ててはいけませんぞ。

九六


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【漫画蟲蔵】『なかせよしみの棚』()

【漫画蟲蔵】『なかせよしみの棚』()


これは絶対お奨めの一冊!!!

作者のマークなかせよしみ でもくらちゃん②


まあこれを書く前に、あの赤塚不二夫氏の「おそ松くん」をリピート
松野家の六っ子 名前を憶えているかな
おそ松
カラ松
チョロ松
一松
十四松
トド松
なんですよ。

でっ、出茂倉家には十二人の同じ顔の女の子がいるんです。(奥様は魔女の語りでよんでくださいね)

出茂倉家のママのママのママには双子が産まれ
その双子のママには同時に各双子が産まれ
そのまた双子には各三つ子が同時に産まれた(わっかるかなぁ)
祖祖母⇒祖母二人⇒母四人⇒子供十二人(メンドークサー)
逆から⇒子供二人⇒孫四人⇒曾孫十二人(これでどうだ、ますます判らん)
…。
そんな訳で十二人の同じ顔の女の子がいるんです(白土作品/サスケの分身の術みたーい)
姉妹従姉妹がわんさかわんさか(レナウンモード、わかんねぇーだろうなぁ。イェーイ)

裕子、愛子、良子、慶子、幸子、敬子、かずみ、さゆり、よりこ、まゆみ、まちこ、りょうこ

その擬音たるや もの凄い
歩けば「ざっざっざっざっざっざっ…」「どどどどどど…」
集まれば「わらわらわらわら…」「ぞろぞろぞろ…」
自転車なら「しゃこしゃこしゃこしゃこしゃこしゃこしゃこしゃこ…」
スピード坂道「しゃあーしゃあーしゃあーしゃあーしゃあーしゃあー…」
駆けまわり「ダダダダダダ…」「バタバタバタ…」
トンボに「ぐるぐるぐるぐる…」
電車のなかで荷物を「ガラガラガラガラ…」
林のなかで「うようようよ…」
缶の馬「ガコガコガコガコ…」
雪の校庭「びょん ずぼずぼずぼ こて ばふ じたばた むく」の連続(天使のマーク)

これだけじゃ わからんだろうな 見てご覧 はまっちゃうよ

なかせよしみ でもくらちゃん①

昭和20年出茂倉家に一組の双子が生まれた
昭和42年双子は同日に それぞれまた双子の母となった
平成に入って この4人は同時に子供を授かった
しかも今度は全組が三つ子
…のくだりではじまるこの漫画は
絶対、面白いのだーーー。


九六







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【甦る】『…あの付録』

【甦る】『…あの付録』


きっと少年期の夢中にになったものが、押し入れの中にある紙箱に十字紐で結えられて出てくる。
それは初めて買ったゼロ戦のプラモデルであり、月刊の漫画雑誌、ベーゴマ、太陽光線に翳すと煌めくビー玉、変哲のない石ころ、牛乳の紙蓋…。
どこかに置き忘れたその時代のこころの一部分、ジグゾーパズルのようにピースが欠けて完成しないもの。決してだれにも譲れない自分だけの記憶があるものだ。

だから大人になって、欲しかったプラモを今は作らなくとも、みかけた模型店で他愛無く購入してしまう。箱を棚に飾って置くだけでこころの隙間に充填されるひとりだけの愉しみがある。

タダをこねて買って貰ったモノより、あの時代にあきらめたという意識がどこかに宿っています。



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少年 付録より

今回は友人T氏からみせてもらった「少年」の数ページ付録。
戦争は嫌いだけど、あの時代のメカが好きだ。坊主憎けりゃあ袈裟まで憎い的発想は今の僕にはない。
一人合点だけど、けっこう割り切っているのかもしれないなぁ




でも、棚に飾ったプラモはもういつでも作れるのだから…

九六

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『奇妙な落款』(4)

『奇妙な落款』(4)


そう、彼は黒いマントを羽織っていた。先日は帳(とばり)のおちた出逢いだったためか、あまり気にしていなかった。いまここではっきりと彼を横目で視ながら、ぶつからぬよう注意を払い、外まで聞こえそうな唾を喉に押し込みながら、一気に擦り抜け主人がいるだろう盤台に向かおうとした。

が、その時、後方から凄い視線が背中を射抜いた。
-なんだ、なんだ-
この感覚は今まで味わったことがなく、奇怪な悪寒が全身をはしりぬける。両手を硬く握りしめ胸にしまいこんだまま竦(すく)んだのである。

その時間は数秒だったかもしれないが、自分にとって永遠に続く煉獄の責め苦にも似たものだった。
しかし閉ざされた時間が刻まれたのちに、一瞬にして管脈の血が全身に解き放たれた。悩んだあげく首だけを傾(かし)いで振り返ると男の姿はなく、足音だけが遠ざかっていくのを聴いた。

盤台に両手を押し付けて大きく息を吐いた。心の蔵がいまだ高鳴りをやめない。
両足は支えがなければへなへなと崩れてしまったにちがいない。

あの男は一体なんなのだろう、理解できないことが自分におきているのだ。

盤台の陰から唸り声がしている。あの主人が痣だらけで血を流している。
「おい、大丈夫か。何があったんだ」
「ううっ、あ・ん・た・か」
「いま医者に連絡するからな」
「や・やめてくれ、医者などよぶな。余計なことをするなぁ…」
怪我人ともおもえぬ強い力で私をつきとばした。
とにかくアルコールとチンキを家庭薬の赤箱からとりだし晒(さらし)で応急処置をした。

数分後、幾分落ちついたのか頃合いを見計らって
「なんとひどい息子だ、あんたみたいな父親を痛めるなんて」
「……」
言葉にはならなかったが、店主の口元が一瞬だけ歪んだ、それは笑っているようにもとれた。



【つづく】九六




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【九六式落語風】『まくら噺』

【九六式落語風】『まくら噺』


 おやおや、今日は客の入りが濃いですなぁ。
そうでしょうともあまりお客様が多いとですな 「く・苦しい」などと酸欠で窒息してしますんで、このくらいの入りがほどほどでございますなぁ。

どぅーしてもアッシの噺が聴きていと、限りなく少数気鋭のお客様方のみ、シラミじゃあねぇですよ、のみお運び頂きまして誠にもってぇ …ミイリが減るってもんです。

あららお帰りですか。違うの? 
そう厠ですか、そんならいいのですがぁ。
あたしの噺がはじまった途端、席をたたれますとぉ
あらら、そちらもですかぁ
アッシの方が帰りたくなってきましたょ。
前でも後ろでもいっといでぇ
きっちり出してくるんですよ。

エー簡単に引き下がっちゃこちらも専門家。
プロですよ、ちゃんと教育を受けて訓練じゃなく、たんなる法螺噺の修行したんですよ。

まあ落語というもは噺が一番、二番がなくても噺でございます。
電話は?…
さようです。三番。四・五なくて? 六でなし。文●堂菓子店の回し者ですか。

今日はやりやすいいうか、皆さんちゃんと予習してらっしゃる。
まあ三平師匠ならぁここで
「いつもどうもすいやせん」ってやるんでしょう。
手はグーで右手でコツンと…
なんで私が師匠の真似をしなくちゃいけねんでしょうか。

あっ  お帰りなさい。
短い厠タイムでしたなぁ。お疲れさん…
違う?そう…、
席に座って頂いて本題にかからして頂きます。
あちきも生活が懸っておりますわいなぁ。


いまのが落語のマクラでござますなぁ。
これが噺をギュッと掴みまして…
このマクラが噺がいえりぁ、いちにんめぃなんでございます。

勉強になった?
そりゃあよかったねぇ
うちにけぇって自慢ができるねぇ………


えっ!
なにぃぃ、次の噺家がもうついたの。あの五月蠅いぃ
だからひっこめってぇいうのかい
なんだよ、さっきは遅れているから餅のようにのばしてぇながくって…
言い訳するなってか
わたしゃあ怒ってるんだよ

ああ、判った わかったよぅ。俺も江戸っこでぇ 生まれは田舎ぁだども
そこはキチッとケジメをつけて。

おいカカアここにきて坐れ、まあ素直に座りなさいよ。
よいしょっと頭をっ これでひざマクラってぇのはどうでげしょ。
誰だ!
そこで惜しいと言ったのは、お客様でもゆるしませんよ、とらきたもんだ。

でもね、
ここで皆さんと喧嘩になったら
わたしゃ お先マックラ~


えーまくら噺の一席でございました。

三味も太鼓もいらんよ。坐布団は自分で持ってくよ。

ささっと 吉原でもくりだそうかい ねぇ~
川の夜風に舟下り愛しおまえと千代の紙など帆掛け船ぇ♪

そしたらねぇ 艶っぽい枕噺でもきかせてあげますよぅ




九六


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『TО 漫画本の価値』(67号への暗号)

『TО 漫画本の価値』(67号への暗号)2012-03-25~


最近TО作品は、もし手に入れるとしたら…どんな値段がつくものだろうか。
とにかく今すぐ購入するわけではないが、自分用にざっと一覧をつくってみた。 

※【セピア①】 鶴書房/不二書房/通称レアモノ

『NEXT WORLD 宇宙人対地球人』鶴書房 1,000 円【● 2,690円】
『地底列車』 1953年4月不二書房発行 B6判 50,000 円【●--】
『ファウスト』1952年1月不二書房発行 B6判 50,000 円【●--】
『前世紀・地球篇/宇宙篇2冊組』重版 75,000 円~
『キングコング(全1巻)』不二書房発行 20,000 円~【●34,100円】

『地底列車』1953.4 鶴書房 B6判  50,000 円
『新宝島』TО/酒井七馬 復刻本 20,000 円※
『ファウスト』1952.1 不二書房  50,000 円
『太平洋の火柱』1955 初版 証紙有40,000 円
『怪奇島の謎』10円? KK出版 9,800 円

『前世紀・地球篇/宇宙篇』2冊組 不二書房重版 75,000 円
『大宇宙人』『バティ島の奇蹟』単行本2冊     25,000 円
『大宇宙人』『バティ島の奇蹟』富士見出版2冊  25,000 円
『地底国の怪人』全1巻  50,000 円
『ジャングル魔境』  4,000 円

『一千年后の世界/假面の冒険児』1948  200,000 円
『まんが平原太平記』1950 東光堂初版       39,990 円

※【セピア②】 あかしや書房/キングコミックス/

『スーパー太平記』函付重版かなぁ キングコミックス 1,000 円~
『ひょうたん駒子』1960年初版 あかしや書房 15,000 円~
『ひょうたん駒子』1960.初版 あかしや書房 15,000 円
『スリル博士』1959.12.5 1000円【●2,600 円】


※【セピア③】 鈴木出版/懐かしいですね、でも一冊約4,000円位ですね,

『キャプテンKen②』   鈴木出版 貸本 3,000 円~
『キャプテンKen③』   鈴木出版 貸本 3,000 円~
『キャプテンケン』2冊 1962年 鈴木出版 8,000 円 【即】8,000 円
『キャプテンケン』全3巻 鈴木出版   19,500 円 【即】19,500 円

『エンゼルの丘①』 鈴木出版 非貸本    2,500 円~
『エンゼルの丘②』 鈴木出版 貸本  NEW    2,000 円~
『エンゼルの丘③』 鈴木出版 非貸本 NEW    2,000 円 ~
『エンゼルの丘④』 鈴木出版 非貸本 NEW    2,500 円~

『白いパイロット①』初版 鈴木出版20,000 円~
『白いパイロット①』1962年 鈴木出版 4,000 円 【即】4,000 円
『孔雀貝』貸本 鈴木出版    7,000 円 【即】15,000 円
『夜明け城⑭』       鈴木出版 3,000 円 ~
『ジェットキング』     鈴木出版 4,400 円  【即】4,400 円
『ロック冒険記②』1960年  鈴木出版 6,800 円~

『X エックス漫画探偵ブック』鈴木出版 出崎統 平田昭吾 35,000 円 ~※
『X エックス 創刊号』1959年鈴木出版 6,000 円


※【セピア④】 鈴木出版 大型版/この他アリと巨人などでてました。

『アトムOマンビッグX他』全10巻揃 鈴木出版 函付NEW  9,000 円~
『0マン』全7巻中(①⑤欠)5冊 鈴木出版   2,500 円~
『Oマン・アトム他』全巻セット 鈴木出版   17,500円~

※【セピア⑤】付録元版と雑誌


『レモン・キッド』元版 冒険王昭28年5月号付録  18,000 円
『リボンの騎士』 元版 少女クラブ昭29-8月付録   8,000 円
『火の鳥』(復刻-京都fc53)昭和32年少女クラブ付録  1,000 円
『鉄腕アトム 新人類フウムーン 触角をもつ怪少女』 1,000 円
『スリル博士②』1959.12.5 1,000 円【●3500】
『レモン・キッド』1953.5 冒険王昭付録 元版   18,000 円
『地球1954』1954.1 冒険王付録          20,000 円
『リボンの騎士』1954.8 少女クラブ        8,000 円
『スーパー太平記』キングコミックス         1,000 円
『スーパー太平記』1959.少年画報付録    1,000 円
『スーパー太平記』昭和34年 少年画報付録  1,000 円

【復刻】鶴書房版の復刻/最近はなんでもかんでも復刻ですが、全集を揃えてもマニアは欲しいという。

『手塚治虫のディズニー漫画/バンビ/ピノキオ』復刻 初版【即】送料込3,300円
『手塚治虫のディズニー漫画/バンビ/ピノキオ』講談社復刻【オ】送料込6,000円【●--】
『バンビ』復刻文庫 2010年初版帯付【即】送料込で約950円
『ピノキオ』復刻文庫 2010年初版帯付【即】送料込で約950円



と、まあ追加を含め重複もあるが書いてみた。

さすがTО先生である。死して尚 その価値は全集さえも凌ぐ価格である。
今回、全集に載っていない『キングコング』はいくらで落札されるのか他人事ながら楽しみではあります。

『~』と表示は オークションの最低価格です。これから競りあがるのですなぁ。
ふたつの価格が並んでいるのは 即値である。この値段なら一発で権利あり。

価値は、状態、初版の有無、函付・カバーの有無、帯の有無 貸本落ちの有無などであるが
これをみるとあまり関係がないらしい。NEWというのは見た目かなぁ
ノークレーム・ノーリターンが原則で実物を写真で判定しなければならないので購入するのは一種の賭けでありますね。全集で我慢してほしいとてTОさんが安価普及版をだしたのですが、なんとそのあと文庫版が発売になり、次には豪華な復刻版がくりだされています。みなさんお金持ちなんですね。

オークションには沢山の本が出品されます。TОマニアの方々、投機の方々に負けぬように頑張ってください。でもマニアは一度手にもてみないと買いませんよ。

ところで、私のところにもそれほど沢山というわけでもありませんが、蟲が顰(ひそ)めいています。
蟲たちは一度 蔵に入ったら出ていけないという 開かずの蔵・出でずの扉ですが、もしよかったら一度おいでください、当然弁当持参、持ち出し厳禁です。昔々1週間ほど泊まり込んだ方がいらっしゃいました。またそんな仲間たちがやってくるまで蟲たちはひそやかにざわめいています。


九六


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【歩句】『時と浪の狭間に』

【歩句】『時と浪の狭間に』

私なりに募金もした
しかし なんかしっくりしない

親戚のいる浜に何度電話したことか
道路が開通して段差のあるみちを駆ける

電信柱は傾いて
瓦の屋根にブルーシート

顔をみねえうちは
道々言葉はあふれ

家にあるもの なんでかんでつみこんで
でも なんかしっくりしねえ

でも もうすこしたったら
ちょっとは きがるにはなせるべ


九六

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『奇妙な落款』(3)

『奇妙な落款』(3)

酒の滴をすすい、もう一杯頼もうと片手をあげた。
「酒ですかぃ、そうだおもいだしたよ、あそこにね若い痩せ形の男がおったでしょう」
こちらが問いただすまでもなく、親父は滑らかに言い始めた。
酒瓶を軽々と持つと先ほどと同じように縁からおとした。そして
「そうだよ、あのなオイラちょっとみてしまったんだよ」
「ほう、なにをみたんだね」
「なーに、あれは夏だったよな、タライで行水してるのをみかけちまったのさぁ」
「夏ならおかしくないでしょう…とっととと」
二杯目を口にはこびながら面白そうなので黙って相槌をうった。
「あの本屋の主人がよぉ、若い奴の背中を洗っているじゃないか、おっと見たくてみたんじぁないよ、塀がね壊れていたんだよ」

まあ親子であれば、それほど不思議な光景ではないといえる。
「しかしねぇ…親父の奴は正面で平伏すんだよなぁ、」
「まるで家来か部下のようにだぜ」

そういえば、つい前にそんな仕草をみたばかりだった。
その後は、焼き鳥屋の親父も他の客あしらいで大声をあげながら離れていった。
でもあの二人の関係は一体なんなのだ。そしてあの希少本が なぜあそこにあるのか理解しがたいことであった。

それから二日後、足早にあの古本屋の前を通りすぎようとしたが、自分の足が意志とは別に戸の前でとまってしまった。とかく古本屋は薄暗いものだが、この店はなにかしら人を拒否するように冷たくもっと暗い。

硝子戸に手を掛けようとすると、奥の方から言い争うような声がとんできた。
「もう止めてくだせぇ」
痩せた男は一方的になじっているようにもみえる。
そして男の怒りみたいなものが、戸に振動したかのように硝子が揺れた。
私は二・三歩、後ずさるように引き下がった。

すると痩せた男は私に気付いたのか入口の戸を静かに狭くあけ
「……」
無言で私をみつめながら右手を'お入りなさい'というような仕草で差し出した。
一瞬、男の肌が透き通っていて、頬も落ち込んでなきがごとくであり 
竦んで身動ぎもできないまま、遠慮がちに「ありがとう」とかえさざるえなかった。



【つづく】九六





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【漫画蟲蔵】『今敏の棚』

【漫画蟲蔵】『今敏の棚』

数少ない作品ですが…
まずは黙ってみてください。

今敏01-今敏02 (2)

今敏03-今敏04

今敏05-今敏06

『海帰線』は新旧の2冊があります。
『ワイルド アパートメント ホラー』
『夢の化石』
『セラフィム 2億6661万3336の翼』
『オーパス』上下巻は下巻を購入しだい時間をおいて載せます

さて、惜しい人を漫画界は失った。誠に残念、悔しい。

特に『ワイルド アパートメント ホラー』は週刊誌の切り抜きがあったのだが紛失。
なんども東京の空に叫び、だれかれなく おしえたくてたまらなかった。
ちょうど私は、出張にあけくれた東京時代のことでした。

……。
今敏 オーパス①-オーパス下巻




九六











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『噂のオークションがはじまるみたい』(67号への暗号)

『噂のオークションがはじまるみたい』(67号への暗号)


大御所の昭和25年の作品『K』がネットオークション登場している。
最初は2万円…

出版社はFでしょうね

騒がしいことでございます。

九六
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『奇妙な落款』(2)

『奇妙な落款』(2)

空が朱色に染まりポツポツと街灯がともりはじめたのだろう。
豆腐屋の喇叭の音が暗くなりつつある通りを姿は見えぬが音の強弱が闇の訪れを教えている。

店主は乳白色の傘に手を入れると電球を回しながら
「もう、ええじゃろ…。そろそろだなぁ」
まるで怯えるかのように腰を上げて、次に背伸びをした。
私は天井の灯りの薄暗い店の中で眼をこすりつつ読みふけっていたのだ。
「アアーア、あんたもけぇったほうがいいじゃ」
「すみません、つい夢中になってしまって」
「又くるがいい。その本は譲ることができないんじゃわ」
「あ・ありがとうございます。では…」
本を併せて彼の手に返した、その時、表から若い男が下駄の音をさせながら店に入ってきた。
痩せこけた色白いとしのころ30歳前とおもわれる長髪の男が立っていた。
つかつかと私がいる棚と別の通路から、店主の座る盤台の脇からすり抜けるように入っていった。
「お帰りなさいませ」と店主が男にむかってまるで下足番のように深々と頭をさげた。
出て行こうとした私に、首だけ横を向けて聴こえるかどうかの、微かに空気の漏れるような言葉で
「また来たときは儂が声を掛けるまで傍にくるなよ」
なんか半分脅かしのような言葉をなげかけられたのだった。

戸口をでて、黒く染まった町を家路についたのだか
あの本との出逢いのなのか、気持がざわめく。

もうすぐアパートにつく手前に、赤提灯がいやに煤くれた感じでぶら下っている。そんなにいける口ではないが、先ほどの勢いもあってか片手で逆さ暖簾もちあげてみた。戸の下部は擂りガラスで上部はと透明だが焼き鳥とおでんと人間の温もりで水蒸気がでてくもっている。

「ヘェーイいらっしゃい」
六十もすぎたような痘痕の親父が団扇をばたつかせ焼き鳥を回転しながら炙っている。
低い丸椅子に座りながら
「冷や(常温)で」
「あいよ! 酒を一合だね」
一升瓶から直に底のまるで近眼のインテリがつかう眼鏡のような厚みのあるコップに注ぎこんだ。
溢れるように注ぎいれ下の受け皿にもおとした。まるでこれがサービスだというかのようにであった。
「通しは浅漬けだよ、他に注文があったらよんでくれぇ」

並々と注がれた酒コップに、重心を前におとした唇をヒョットコみたいに吸い付く。
そしてゴクリとひとくちだけ呑む。
「ううーん、効くねぇ」舌から喉にゆっくりと胃袋へしみわたっていくのが判る。

やすっぽい板壁には値札が貼られ、鳥の臓物ボンジリの串焼きが眼に入った。
「ボンジリを3本」と天井に向かって言うと
「アイヨ!」とばかりに張りのある答えが返ってきた。

暫くすると香ばしい肉汁の焦げるおとが店内に煙とともにじゅうまんする。
オヤジは出来上がった串焼を皿に盛り、塩を角にのせた。
「春だというのに、花冷えってのか寒いですねぇ」
愛想笑いのなかにひとの良さがうきでている。

私はさっきの古本屋について聴いてみたいと思った。
もうひと口含んで、いかにも他人噺のように
「オヤジさん、ここはながいのかね?」
「へへっ、カカアがなくなって三十年、それからこの店をやってるんでねぇ」
「そう、ところで数軒先の古本屋しってる。今寄ってきたんだけど…」
「本屋…あああの一寸陰気な店ですか」
「そ・その本屋ぁ。あそこはけ昔からあったっけ」
「そういやぁ、俺の御幼少みぎりってぇなんだが、その時からあったような気がするねぇ」
ふざけ笑いでオヤジの口元から抜け落ちた歯のあとが笑える。

塩を微妙にまぶした肉汁が口にひろがる
そんな充足感にひたっていると
「そうだぁ、昔ぃ大地震があってさぁ、ここら一帯全部壊れちまったことがあってさぁ」
「ほう  大地震かぁ」
「あの本屋だけは、シャンとして残っていただよな。あの本屋の店主は驚きもせず盤台にいたんだ」
「そんな昔からあったんですか」
「そういやぁーかわらねぇなぁ、あの店主ぅ」

【つづく】九六


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【漫画蟲蔵】『佐々木倫子の棚』

【漫画蟲蔵】『佐々木倫子の棚』

さて佐々木倫子氏の棚ですが
初期作品は残念ながらみておりません。
最初にみたのが「動物のお医者さん」ですが棚にはありません。
誰かにみせて頂いた記憶があります

ですので今後のこともありリストを掲載します。(年代不順)
「林檎でダイエット」白泉社
「食卓の魔術師」白泉社
「家族の肖像」白泉社
「代名詞の迷宮」白泉社
「眠れぬ夜に」白泉社 全2巻
「ペパミント・スパイ」全2巻
「動物のお医者さん」白泉社 全12巻
間違っていたらごめんなさい。情報をくださいね。


そしてここからが棚にある蟲たちです
「おたんこナース」小学館 全6巻 ビッグコミックスピリッツ
「Heaven?」小学館 全6巻 ビッグコミックスピリッツ
「月館の殺人」小学館 上下巻 月刊IKKI

しかしながら
「チャンネルはそのまま!」小学館 ビッグコミックスピリッツはみてないんですね。
この次、この次…

こうやってみると、少女雑誌から青年誌への転換をはかったわけですね。
成功ですね。作品「おたんこナース」をみて、おもいっきり笑いました。


特徴とすれば原案/取材者の名前を明記していることです。
男性誌の原作者はいままでも各誌で当たり前ですしアシストの明記も昔からありますが、取材者の明記は知らなかった。最近は雑誌編集者とのコラボ、そしていくつもの名前をもつ隠れた原案者・取材者なども存在していて表にでてくる漫画さんにとって膨らみのある幅のある作品が登場していますね。

氏は、凄くよく調べていらっしゃるし細かいところ、特に使用する独特器具や会話がまた良い。
友人から初期の作品について、今の作風とちがった面があるとのことで期待してます。

どの蟲も厚くて重い…が、今回の地震での印象でしたね。

佐々木倫子01-佐々木倫子02

佐々木倫子03-佐々木倫子04

佐々木倫子05-佐々木倫子06

佐々木倫子11-佐々木倫子12

佐々木倫子13-佐々木倫子14

-佐々木倫子15-佐々木倫子16


佐々木倫子18-佐々木倫子19

佐々木倫子 チャンネルはそのまま!


さあさあみてごらん
面白いんだから~



九六




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『奇妙な落款』(1)

『奇妙な落款』(1)


 古本屋稼業が好きだ。といっても私のことではない。傍から見ているとこの人種は職業として、一番楽な方法を選択したのではないだろうかという疑問が湧いてきた。よく小説家のなれの果てとか、政治的な思考を誰かに避難され屈折したとか、或いは根っから小説を読むのが好きでそばに常に本がおいておかなければ中毒症状があらわれるとか、いろいろ考えてしまった。

どう考えても理解できないのが親子の場合だ。大きな店舗ならまだしもこの田舎町にこじまりとたたずむ店には、ふたり分の収入などありはしないと思うからです。もし娘であるなら父の手伝いをしながらオサンドンしていても別にそれほど違和感がないかもしれない。
もっと突きつめてみよう。
病気がちで古本屋の店主しかできない。これだよ、これが真実だよ。咳き込む父と介抱する息子、或いは逆かもしれない。店主を垣間見ると、うつむきかげんで陰湿、時折上目使いになるがこれは盗難防止と客の本あしらいを覗いているのかもしれない。子供たちが訪れるとやや不機嫌になり咳払いをしたりするのだ。

「おい、坊主。汚い手でさわるんじゃない」
一瞬静まるが暫くすると前にもまして騒ぎはじめる。すると
「お前たち、何年生だ」と問いかける。
そういう私も立ち読みをしているので、主人をみないようにいささか顔をそむけた。
そういう仕草が気になったのか
「お兄さん、いい本はみつけたかね」
支払いのときでさえ大した言葉を返してもらったことがないので、どぎまぎしながら辺りをみわたした。

「あんただよ、いつも寄ってもらってありがとうよ」
なんとぶっきら棒な言いまわしに
「おお、どうも」と自分で思ったより甲高い声がでて裏返した声になってしまった。
別に負い目があった訳でもない、あまりにも唐突に声をかけられたからで、今の今まで勘定のときでさえ聞いたことのない変な抑揚のある訛った言葉だったからだ。

主人は何か堰をきったかのように続けて言った。
「兄さん ちょっとこれみてみないかね」
へんな仕草で本の表紙を擦りながら取り出したのはいかにも年代物の本一冊でした。
「いつもさぁ、この本と同じ作家の本をみているよねぇ」
きっと観察をしていたのだろうか、私は背をのり出しながら眼をおくった。
「ぇっ、これっ片品龍一郎の本ですか、探していたというより高価なんでしょう、どうしてここに…」
差し出された本は片品の処女作であった。片品龍一郎は文壇に突然現れ一瞬の時代を駆けていった天才とも云われる作家である。五・六冊の作品を発表したが、突然糸が切れたように行方をくらました伝説のひとである。
作風といえば読み手を引寄せて掌の上であそばされ揺り動かし独特の感性のある文章を展開するのである。

「こうゆう本は、なかなかでてこないんだよ」
「そ・そうなんですか、触ってみてもいいですか」
自分が何かにとり付かれたような妙なきぶんであった。
「そりゃあ、うちは古本屋だからね、さぁみてごらん」
「はじめてみます」
ほんのいままで気鬱だったのが霞がとりのぞかれたように彼の顔と本をみつめていた。
「へっ、そりゃあそうだろう、イワクツキの本だからねぇ」
「なんか問題でもある本ですか」
私はイワクツキなる言葉に何かしら奥歯にものの挟まった棘のように感じた。

「著者は当然なくなっている…ようなものだ」
「ものだって片品は死んではいないですよね」
「まあそうゆうことになってるがなぁ」
両手を自分の裾で擦り
「そうでなんですか」と返しながらも、なにかしら歯痒い気分で皮で表装された本を開いた。
上目使いで相手の顔を伺いながら、あまり深入りして気分を害されても嫌だと曖昧な返答で茶を濁した。

それでも主人は私に向かってまるで呟ように語りかける。
「この本は数冊ぅ、いやこの一冊かな、この世には存在しないんだぜ」

本が何故か奇妙になま暖かく重くなった様な気がした。
…この本はいきている。そう直観的に感じた。

【つづく】


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『ワンマン電車が走る田舎の景色』

『ワンマン電車が走る田舎の景色』

ワンマン12

友人が東京から田舎にやってきた。都会では走っていないのかもしれない。そういう私も乗った事はない。

簡単に言うならバスを電車に置き換えたと考えるのが一般的だが、さてバスは何台も繋がっていない、ところが電車は2~3両の編成である。バスのワンマンだとひとりの運転者が切符(整理券)を金額表示に合わせて幾らですと言えるが、電車は後ろの車両扉から勝手に降りられたら収拾がつかないことになる。

ワンマン13-ワンマン14

そこはそこである、降りる時は前の運転手の傍のと扉からだけになる。それ以外の扉は乗車のみである。
これを理解しないで乗ると後部座席から走って最前部の扉まで行かねばならない事になる。都会から来た友人はだいぶ焦ったようだし、彼より焦ったのは老人だそうだ。扉が開かないのを理解できないという事なのです。

昔は車掌が同乗していて検札や切符の販売をしたものだ。いまや運転手ひとりが全部やらなければならないのです。老人が扉があがねぇと騒いでいたらマイクで前ですよと言うのかなぁ。駅員もやるし一人三役で大忙しである。

某地区の単線だともっと大変だろうね。まあ、田舎だけあって無人駅も多くなったので客まかせの方法で人件費をうかさねばならない時代になったという事なんですね。

ところでローカル線に久しく乗っていないが、車で移動もいいがたまには各駅停車の旅もいいかなぁと思ったしだいです。

こんなところで良いでしょうか、爺さまぁ。

とこで提案ですが、ある地区では自転車の車内持ち込みが良くて、多忙期には避けて時間帯の制限があるから可能らしいそうです。なんとかこちらも習ってみたらどうかな。やってるのかなぁ。
もうひとつ、家族旅行といえば車でのいどうですね。欧州だったか、車を貨物車に乗せて移動できるらしい。お父さんや運転手には楽ですがどんなもんでしょうね。制約はいろいろあるでしょうが無理ではないんじゃあないか…。車に人を乗せたまま それを貨物にのせる。かなり厳しい規制があるんでしょうなぁ。そこを…。
電車と車がどちらも生き残れると勝手にかんがえています。きっと、まず安全がぁと誰かいいますね。左様でございます。
これは私のワンマンで、いやいや我儘です。

ワンマン11

九六
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【歩句】『続・福寿草』

【歩句】『続・福寿草』


黄金撒き遊びきたかや福寿草



この前はわずかしか咲いていなかったが
いつのまにか福寿草がふえている。

福寿草2012-03-18

以前に毒について調べたことがあったが福寿草は確か毒草だったはず
改めて調べてみると、福寿草の根にはかなり強い毒性あり、煎じて飲んではならないとある。
可愛いいのでみるにはいいが、それなりに陰があるもんですね。
ネに持つのは人間ばかりではありません。

別名を元日草といって季語は新年の花となっている。
やっと雪が解け屋根からの滴りがたえまない縁側のふちなどに咲きますが、北国はいまが盛り。
雪解けの日向に毎年咲く福寿草は心を和らげてくれます。

九六


小金撒き遊びきたかや福寿草○
小金撒き遊びきたるか福寿草
小金撒き遊びきたのか福寿草
小金撒き遊びきたるや福寿草
黄金撒き遊びきたかや福寿草◎


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【漫画蟲蔵】『杉浦茂の棚』

【漫画蟲蔵】『杉浦茂の棚』


ある程度の年齢になると子供時代にみたものが、やけに懐かしくなってしまう時がある。
シワの襞にしまいこまれた記憶のあるものが原因で突如して鮮やかに吹き出す。それはとめどもない連鎖反応をおこし、過去の幸せだった居心地のいい時間を垣間見るからであろう。
ひとそれぞれ異なる過去があるわけだが、特に漫画という共通根がペースに含まれると相互間に親しみをおぼえるというものだろう。
駄菓子屋、映画、遊園地といった中から、遊園地のメーゴーランドや特定俳優のしぐさなどです。私にとっての駄菓子屋は5円玉、当たりくじ、心太がキーになっているようだ。

彼の漫画のキーは、赤塚不二夫のレレレのおじさんをみた時に、すぐ杉浦茂の絵がうかんだ。するとコロッケ五円之助や厚切り羊羹がそくざにでてきた。そうか当時のコロッケはメンチなんて言わなかった五円のじゃが芋(馬鈴薯)と肉コロッケ、ましてやクリームコロッケなどなかったか、田舎だからおいていなかったのだろう。

私の棚には杉浦茂氏の蟲は少ない方だろう。古いもは蔵の月刊雑誌の下段に描かれた連続横読みの連続コマのものである。貸本屋にはあったはずだが手にいれることはしなかった。立川文庫の主人公が題材になり奇妙奇天烈なポーズを決めるカットは歌舞伎などのミエともとれるのかもしれない。

もうひとつ重要なことがある、彼の漫画には食べ物がよくでてくる。大福、当然飯、焼玉蜀黍、蕎麦・うどん、前述のコロッケや羊羹、しかし一番登場するのが串団子かもしれない。とにかく遊んでいると思うほど好き勝手に描いている。
でも今のひとに受けるギャグはきっとクールなハチャメチャ感なのかもしれない。

さて蟲達が騒いでいる。

杉浦茂101-杉浦茂102

杉浦茂103-杉浦茂104

杉浦茂105-杉浦茂00

杉浦茂110-杉浦茂111

杉浦茂115

杉浦茂114-杉浦茂116

所持していないが 杉浦茂の復刻シリーズが下記のようにたくさんでている。
可愛がってもらえよ。

忍術合戦
決戦忍術城
ネジ坊珍探検
プロレスの助
拳斗けん太
ジャングル冒険王
近藤勇
岩見重太郎
宮本武蔵
後藤又兵衛
曽呂利さん
弥次喜多珍道中
一心太助
弾丸トミー
ドロンちび丸


九六




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【歩句】『戸惑いながら春』

【歩句】『戸惑いながら春』



『鑑人さんの句』

つまらなき
世のこと思い
雲みつめ

青空も
曇りの日も
空映し

流れ行く
雲のごとくに
生きればと

春風に
浮雲流れ
瑠璃の花

空のはて
青き中に
青みつけ

空に向かう
写真提供G氏


『返句』九六

葉書よむ
歳たくわえて
春の闇

ほどほどに
夢やまくらに
寒過ぎる

幾枚も
セピアになりて
衣替え



九六

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【歩句】『海へ』

【歩句】『海へ』


さすらいて 春はどこぞと みちしるべ


海へ
写真提供G氏




-道標-


ここは海から遠いの
ここから海への地図はあるの
どうやっていくの

なぁに簡単なことさ
川にある筏にのったら
ゆられてすぐさぁ

巨大になったら
ひとまたぎ

空を飛んだら
またたく間に あの波しぶき

風になったら
ひとふきで ついちゃうよ




海って大きいの
 両手をひろげたくらいかなぁ

海ってあおいの
 空の色とちがうかなぁ

海って音がするの
 耳がいたくならないのかなぁ

海はやさしいの
 なんかそんなきがする

海って……ああ眠い
 探検はまたあした…




九六






 
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クロスロード通信四月号

クロスロード通信

4月のライブスケジュール


4月8日(日) pm7:00~
「セッションナイト」
どんなジャンルでもオーケー。みんなで楽しみましょう。

4月14日(土) pm8:00~
「ショーロの夕べ」千葉幸成(ギター)、ゲスト・佐々木宏(フルート)
ブラジル音楽の基になったとされる「ショーロ」卓越したテクニックをお楽しみ下さい。
今回はフルート奏者がゲスト参加します。

4月15日(日) pm7:30~
「白石松則とソブクン’s。」
沿岸出身者による楽しいライブ。必聴です。
白石松則(Vo.G)ソブクン(Vo.G)しゅー(G)こんち(Parc)

4月28日(土)pm8:00~
「YUKI&FATS」
オリジナル曲が好評の彼ら。毎回、何かしら新しいものを見せてくれます。
この夜もお楽しみ。

4月29日(日)pm7:00~
「ジャッキー皆川」(from ふるたいむ)
切なく歌い上げたかと思えば、力強いフレーズで人を引き込む。
変幻自在のフォークシンガー。

いずれもチャージ1500円(ドリンク別)ドリンクすべて500円



さて久しぶりのクロスロード通信です
マスターも待っていますとのこと


九六


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【歩句】『梅の木の下で』

【歩句】『梅の木の下で』

今年も君にあえた
去年も その前の年も
きっと きっと僕のうまれるずーっと前から

君はかわらず咲いてきたんだ

誰にお話ししたの
誰と夢をみたの
誰の話を聴いたの
どんな時代が愉しかった

そう、今が一番良いのかなぁ
じゃあ、いまから
僕とあそぼー

梅の花+-

梅一輪ゆれてはずかし頬そめる



九六



写真を有難うG氏


















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【歩句】『瑠璃唐草(オオイヌノフグリ)』

【歩句】『瑠璃唐草(オオイヌノフグリ)』

いちめんに名前は悪いがオオイヌノフグリの小さな花が咲き乱れる。
去年、ライブにいったオラン(ORAN)さんのことを想い出す。
アコーデオンがながれる野道
どこにも、ほらあっちにも薄紫色の可愛い花たち

漢字が瑠璃唐草なんて できればこれがいいなぁ

瑠璃唐草(オオイヌノフグリ)
写真提供G氏


誰しらぬ野にざわめくやイヌフグリ

うぶごえの瑠璃唐草やわれ先に

九六




お前を連れてかえりたいけど
花瓶にいけてもお前を幸せには出来ないから
私が明日また
ここにくるよ♪
オラン(ORAN)の唄の一節



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【歩句】『浮雲』

【歩句】『浮雲』

みつけたよ
君だけの雲
はずむ春

さがしたよ
春がはこんだ
雲ひとつ

あそんだよ
夢みる雲と
春いぶき

浮雲-+




秘密基地

道端に小さな影がうずくまっている

動きもしない不思議で透明な時間と空間
人差し指で突っついてみる
プルルンと微動するが
嫌でもないらしい

見上げると 心配そうな雲がひとつ
まるで空に浮かんだひょこりひょうたん島
大丈夫、すぐに離してあげるから

ちいさな雲が納得したように
プッカリ プッカリ

雲と地上の間に滑り込むように
僕はいる
魔法のマントで空駆ける

ここはひとりだけの秘密基地
だれも入れてやんない

でも、そろそろ帰る時間
夢のおわる刻

また会えるかなぁ
影と白い雲


九六

写真提供 G氏



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【九六式落語風】『又酒飲んだ?』

【九六式落語風】『又酒飲んだ?』


え~お早いおはこびを
お馴染みの酒好きの八五郎と大家のお噺を~

どこにも酒好きという輩がいるもんでぇして、暇さえあれば昼盛りから、クダなど巻いて呑んだくれでいる奴を巷でよく見かけるもんですなぁ。わたしなんか避けてとおるんですが、よけた方へと千鳥足。カカア質に入れても酔っ払っている御仁は、そうやたらいるもんでないんですがねぇ。

まぁいつもの長屋におりますところの八五郎はといいますと、縄暖簾片手に飲み屋の女に声を掛けられるともうたまりません、肩で縄をくぐるやいなや、グィとばかりに2~3杯ひっかける。これが又たまらねぇとまらない。弱い性格というか、でれしねぇというか女房泣かせの困ったやつでして、でも…ヒトはいいんですよ。呑まねぇときはですよ。

つい先日も「でていけぇ、このトンチキ女ぁ」なんてことで危なく女房から三くだり半ってな事になりあんして、奥方、それほどのもんじゃありませんがプイとでていっちまった。
大家といえば親も同然、みかねて間にはいって なんとかぁ収めたんですがこれが拗ましてな、このままじぁいけねぇと奥方と算段しましてな 一度懲らしめに灸をすえてやろうとなりましてぇ、
「ハチ!こままだと怖いモノにあうよ、お化けとか幽霊といった類じゃあないよ、本当に怖いのは生霊というか人間さまだよ、特に口裂け女ってのがいけませんなぁ」
「てやんでぇ大家さん、あっしゃーこのかた怖いモノなんざぁみたことねぇ」
「八五郎や、いつ何刻出会うかもしれないよ」
「でてからオドロク 酒はドブロクぅ ロクロックビぃ」
「まぁ、とにかくだなぁオカミさん迎えにいっておいで、酒は呑んじゃあいけねぇよ」
てなことでシオシオ出かけていきましてな

暫くして真っ青になった八五郎が股引おとして帰ってまいりました。
「どうしたい、顔が真っ青だよ」
「…どうもこうも、あいつを迎えにいったんです」
「それで女房はみつかったのかい」
「へぇ、途中でみかけて後をおっていったんでぇ」
「そうかい、じゃあ謝ったたんだね」
「それがぁ…、後ろを歩いていると、あの野郎おかしな小屋に入ったです」
「小屋ってぇと芝居小屋かい」
「なんか胡散臭い、あれですよ」
「あれって浅草橋の見世物小屋のことかい」
「そ・そうなんでぇ、俺の知らぬ間に誰かと逢引なんて勘ぐったんですが」
「なんだよ、お前のカミさん、たしかに器量は悪いし顔はもっと悪いよ」
「な・なんもそこまでいわなくても 大家さん」
「するわけねぇし、されるワケがないよ、お前の稼ぎが悪いから小屋で手間仕事してたんだろうよ」
「はぁ、そんで酒でもちょいとヒッカケ、どやしてやろうと…」
「また酒かい」
「いやいや、そう思ったけど、いつまで経っても出てこねぇ。
そのうち小男が番台にでて、これは口上をいうんだよ。
それがまた上手で、怖いものみたさもあって」
「おやおや、すると何かい、小屋の番台の上で-さぁ寄ってらしゃい、観てらっしゃい-って言われて入ったのかい。八っぁん。」
「大家さん、そうなんですよ。あっしゃーね、呼ばれるとぎゅっとなるほど弱いんでぇ」
「それで呼ばれてどうなったい」
「へぇ、それでね、小屋の中にへえったんです。そりゃあ薄暗いったらありゃあしねぇ」
「真っ暗なんだね」
「大家さんきいてくんなさい。暫くするとボーと蝋燭が灯ったとおもいねぇ」
「おやおや、お化けでもでたかい」
「ヘヘン、こっちゃあ浅草産まれでぇ、矢でも河豚鉄砲でもきゃがれーっと、かまえたらぁ」
「構えてどうした」
「大きな戸板にぃ…」
「ははぁ知ってるよ、血がべっとりと…だろう?」
「大家さん、あせっちゃいけねぇよ」
「違うってのかい、おおいたち」
「そんなもん驚くかぁてなもんだ、戸板の上にねぇ。に・に・女房がぉ笑った顔で大口をあけてぇ…」
「おおこわ、勘弁しておくれよ。そりゃあ口裂け女だよ」
「ち・ち・ちがうんですょょょ。
本当に怖いのなんのって ま・ま・また裂け女なんですよぅ」

「なんだって、 またサケのんだぁ?」

おあとがよろしいようで、


座布団、とっておしまい!

太鼓っ、笛~っ お囃子~っ
三味線はいいよ ひいたから

九六
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Author:九六
好きなものを自由に書く、読む、観る、描く。そして遊び愉しむ。
【※】【玖絽・by96・九六・九路・KURO・物部黒彦】【96猫國から発信】
【※】-半世紀分の散らばした気侭綴ゑ-

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