九六の匣

さまざま詰めこんだ匣

『厨川稲荷神社』

『厨川稲荷神社』

田沢湖線越しにみる稲荷社
厨川稲荷神社①+

外鳥居と内鳥居
厨川稲荷神社②-厨川稲荷神社③

稲荷社とある 注連縄
厨川稲荷神社④-厨川稲荷神社⑥

右脇に狐が祀られています。 境内には馬魂碑
厨川稲荷神社⑦-厨川稲荷神社⑪

駒形神、南無馬頭観世音
厨川稲荷神社⑨-厨川稲荷神社⑩

奉納ゑなど
厨川稲荷神社⑤+

足元には右狐の宝珠、左の狐には鍵
厨川稲荷神社⑧-1-厨川稲荷神社⑧-2

狐の顔アップ ここから「狐囃子」を作画しましたね
----------------厨川稲荷神社⑧


【※】稲荷神社

 この厨川稲荷神社には土俵があります。九月中頃には祭りがあり、愚息も十数年前、この土俵で奉納相撲に参加した事があります。結果は書くまでもないでしょう。神楽も行なわれ昔からよく祭りを観にきたものです。当然、正月のお参りもここから始まり八幡宮へとまいります。

息子は土俵の砂を背につけたまま
「稲荷神社って何の神様なんだ?」と尋ねるので
「稲荷だから稲の神様‥なんだろうね」
「じゃあ獅子(狛犬)じゃなくて狐が稲の神を守っているんだね」
「‥京都にある伏見稲荷という本家(総社)から分かれた神様なんだろう。神の御遣いなんだよ」
「へぇー なぜ遠い東北の田舎にまでもってきたんだろう」
「日本で一番多いのが稲荷神社なのさ。稲作が北上すると神社もきっと北に増えたんじぁないのかなぁ‥」



稲荷神社は稲の神、豊穣神 そして狐は神の御遣いですが、足元には右狐の宝珠、左の狐には鍵のような物を携えています。宝珠は霊力を、鍵は霊を引出す意味があるそうです。他の神社の狐には冨を顕す「稲」、「子狐(子孫繁栄)」、「巻物(神の言魂)」があるらしいですね。
「狐囃子」
狐囃子の狐ゑ1 九六-狐囃子の狐ゑ② 九六-狐囃子の狐ゑ3 九六

狐囃子の狐ゑ4 九六-狐囃子の狐ゑ5 九六-狐囃子の狐ゑ6 九六

この辺りは稲荷町と申しますが、昔は下厨川と云われ、神社の北には縫うように小川が流れ、大堤、中堤など湿地帯が点在していました。現在では諸葛川の支流で小諸葛川が住宅を流れており、ここから下では、確か古川とも云っていた気がします。
厨川稲荷神社 地図2-厨川稲荷神社 地図①


ものの本によると雫石川は昔、栗谷川と云われていたと読んだ記憶があります。きっと現在の雫石川は幾度も氾濫を繰返し、対岸太田方面(方八丁)や稲荷神社傍にも流れを変えていたのではないでしょうか。

厨川の柵は、2本の川(雫石川・北上川)に挟まれた柵であり、柵はこの辺りから天昌寺にかけて、やや小高い丘陵地帯にあったと云われています。先日に載せました安倍館にあった柵は姥戸(うばと)柵の疑定地ということらしいです。となると二柵はかなり近い関係になります。
丘陵の北先には縄文時代の集落跡、大館遺跡(以前掲載済)があります。
【※再度掲載】
大館遺跡①-大館遺跡2-大館遺跡3


安倍一族を制圧した源氏は工藤氏に土地管理権を与え、天昌寺付近に城を築き寺社を造ったとあり、工藤氏は栗谷川氏と名乗った記録があります。栗谷川氏は阿弥陀如来と他二体を祀ったとあり、如来は片原の阿弥陀堂に鎮座していますね。


稲荷神の歴史を検索してみると、総本社の伏見稲荷大社にいきつきますが、秦氏との関係を考えると愉しくなります。興味のある方は調べてみてください。

今まで他に行った名のある稲荷神社をあげておくと
茨城県笠間市の笠間神社
宮城県岩沼市の竹駒神社、
岩手県紫波町の志和稲荷神社
などを訪ねていますが写真がないのが残念です。その内再度行く事になるでしょうね。でも祀られた小さな屋敷神を訪ねる旅もいいものです。

ところで厨川稲荷神社の参道は北方に向って社がありますが、その延長上には巌鷲山があります。その軸の地図上の西には和賀岳、東は平庭の方向になります。背景があの山とはいいですね。地図の点と点を線で結ぶと愉しくなります。

九六


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某日『羽のない天使/Bノート』

某日『羽のない天使/Bノート』

羽のない天使①-羽のない天使②

羽のない天使③-羽のない天使9

  羽のない天使④

羽のない天使

いつ 飛ぶことができるのか
どこへ 行こうとしているのか
何を しようとしているのか

岐路に立つ羽のなき者たち

その一歩を‥
いつかは出さねばならない時がくるだろう

夢さえ奪われた者たちの群
名もなき 羽をなくした天使たち




          羽のない天使⑥

          羽のない天使2009-8-31





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【歩句】『あげはちょう』1152

【歩句】『あげはちょう』1152

残されし斜陽遁れてアゲハチョウ

アゲハ蝶2009-8-30①
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【歩句】『おしょす/林檎』1151

【歩句】『おしょす/林檎』1151

ふくろ剥ぎおしょすと林檎頬そめし

おしょす=恥かしい 


『林檎の風景』

林檎2009-8-30⑤-林檎2009-8-30②

林檎2009-8-30①-林檎2009-8-30③

  林檎2009-8-30④



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『内加賀野の和菓子屋』

『内加賀野の和菓子屋』

和菓子の老舗を訪ねる。友人に焼酎糖を贈るために門を叩いた。
昔なら「もぉーす」と入るところだが‥
いいなぁ 懐かしい南部駄菓子が並ぶ。

内加賀野/関口屋⑪

この焼酎糖は友達や親戚に好評なんですね。どんなものかというと、和風ウイスキーボンボンといったところかなぁ。蕎麦焼酎入り砂糖菓子との二種類を購入する。それから目の前の和菓子を一個注文し、包装を待っている間に味わう。甘味をおさえたチーズ入りの和菓子、うん 旨い。酒も好きだが和菓子も好きな両手使いなので、とにかくどこに行っても一個を一度食べてみる。自分の舌で味わってでなければ気がすまない性格はきっと治らない。ここのおちゃ餅や串団子、冬場のフルーツたっぷりのケーキも見逃せないです。
それから今回はなかったのですが、以前 椎茸の笠をつかった煎餅風のお菓子があった事を思い出して聞いてみました、が現在はないというご返事でした。残念。そうだよね、私がこの町に帰ってきてまだ僅かしか経っていないんだからしょうがないです。

「焼酎糖」色がきれいだよ。でも中は焼酎なのだ  運転注意だね
焼酎糖2009-8-29


この店の中には和菓子の木型が並べられている。
内加賀野/関口屋③-内加賀野/関口屋②

内加賀野/関口屋⑤-内加賀野/関口屋④

内加賀野/関口屋8-内加賀野/関口屋⑥

内加賀野/関口屋⑦-内加賀野/関口屋⑨

---------------内加賀野/関口屋①

---内加賀野/関口屋

素晴らしい木型ですね。現在は彫るかたもいなくなったとか‥残念です。


最後に麦酒の古い広告が眼にとまった。
どんな味だったのだろう。
内加賀野/関口屋⑩

カブトビール
王冠を集めると景品が貰えるとかいてある。  凄い!!
久しぶりに訪れた和菓子さんに感謝。ありがとうございました。

【※蛇足】
戦後、亡くなった祖母が無尽講なるものをやっていて、集まる方々に菓子をだしていた。駄賃欲しさに菓子や闇のどぶろくを買いに走った事を思いだす。手許にある天保銭に紐をつけて、幾本もの紐の中からこの天保銭がついたものをひいた者が権利があったと記憶する。なんか掛け声をかけて一斉に籤をひくのだが、どんな掛け声だったか忘れてしまった。講が終れば残った菓子は子供たちに分けられるという按配で愉しみのひとつでした。

九六





 
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空白

【歩句】『闇の雨』1276

マッチ擦り硫黄くすぐる紫煙の夜
はなは咲かずも
春の足音


2010-3-15

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九六綺譚『闇の影』

九六綺譚『闇の影』


この川の奥には鬼がすんでるんだど‥
老婆は都会から来た幼い孫に、鬼のことを話し始めた。

「婆ちゃん 本当に鬼がいるの」
「ほんだぁ、ワシが童の頃には一緒に遊んだもんだべ」
「嘘だぁ そんな話あるわけないよ」
「うそっこでねぇ 遊んでるとなぁ、鬼がかててくれってな」
「かててってなんだ」
「ふぁあ、かててって知らねってがぁ、一緒に仲間さぁしてくれってごどだべぇ」
「鬼のほうから遊びにくるんだぁ、すげぇやー」
「んだなぁ いまはどごさがいったんだべかぁ」
「婆ちゃん、角のある怪獣と間違ったんじゃないの」
「ふはははっ おもしぇごと言うわらしっ子だなぁは」

 私は、祖母と孫が田舎訛り言葉をつかい会話ができている事に驚きと懐かしさが込み上げてきた。
目前の川が眩しく煌く、瀬が五月蝿い位に忙しく音たてる。向う岸の山林には蝉が溢れんばかりに啼き続け、夏空が遥か先まで透きとおる蒼空、緑に囲まれた集落に子供を連れて戻ってきたのです。そう、少年時代の夏と再び巡りあったのでした。

茹で上げた玉蜀黍(とうもろこし)の髯を毟(むし)り、皮を剥くと黄金色の粒、熱いうちに頬張れば舌があの時代の味覚を覚えているのだ。

 母は私が小学校に入る少し前に亡くなり、祖母の手ひとつで育てられたのである。だから私も当時から、かなり言葉は訛っていただろう。十八歳で東京に就職したが田舎への里帰りは、ここを出てから一度もなかったのである。
転職・結婚も子供ができた事も、電話ひとつで連絡したきりで戻った事はなかった。
年老いた祖母か惚ける事もなく、独りこの地に住み続け、田畑を耕し細々と暮らしていたのは知っていた。時折、書留で小遣い程度を送金したものの、この地にまた来ることはしなかった。心のどこかで故郷と祖母を棄てたという罪悪感と、想い出せない過去のシコリがあったからでした。

最近になり祖母から手紙が届いた。内容は「拝啓 直樹さま 一度‥‥」と書かれてあったが、後は水をこぼしたのか乱れて読めない文章だった。
ひとり息子が来年から小学生になるが、喘息で養護学校を薦められていたのです。空気の奇麗な故郷に夏のシーズンだけも過させてやろうかと気になり、取敢えずひと月間だけ田舎に預けてみようかと妻と相談して、祖母に連絡をとったのである。

ここの集落は県庁所在地からバスに乗って約一時間半ばかり、昔は鉄道もあったらしいが現在は自家用車か乗合バスしかないという、三十世帯ばかりの過疎地区でコンビニもない集落です。大正から昭和にかけて鉱山があり、その頃は映画館や劇場まで在ったのであるが、今はその建物の基礎も藪という風景の中に溶けこんでしまっている。
祖母は血の繋がった孫に戸惑いもしたが、満面の笑みをもって迎えてくれたのである。次から次と山菜料理を振舞い 孫をひと月預る事を快く承諾したのだった。

とにかく二週間後には子供に会いにくると言い残して、電信柱の街灯に照らされた停留所をあとにした。子供の勇は都会と違う環境にしばらくは不安で涙ぐんだものの昆虫や魚釣りなどに興味を持ちはじめ私に押されて渋々ながら田舎で暮らす事を約束してくれた。

私は帰りのバスに揺られてうとうと居眠りをしてしまい、‥夢をみた。

幼い頃の自分の夢をみていたと思う。ランニングシャツと半ズボン‥
それは今までも観た記憶があるシーンで長いトンネルから始まった。
小川の脇の線路上を歩いて 小さな鉄橋を渡るとそこに真暗な闇を抱いた煉瓦造りのトンネルがあり、中へ入って行く幼い自分が俯瞰して見える‥。

ハットして目が覚める。バスが停車のためブレーキをかけたのだろう。暗く闇を走る窓には自分の顔が写っている。
「そうか‥あの時、俺は  アレに逢った‥」
汗が額から顔をつたい顎から落ちた。
「暑いなぁ」ワイシャツとシートは多量の汗を含んでいる

暗い窓のバスの外は時折り民家の灯りが見え隠れする。闇の風景をみながら私は 又、睡りへと誘われるまま落ちていった。

遠い昔‥小学校に入る前の頃だろうか‥。
蝉が煩さいほど啼く中を、旧線路の上を家とは違う方向へと歩む、そこには朽ち果てた煉瓦が散乱している場所がある。鉱山跡の崩壊した廃屋と積み重ねられた赤錆び鉄のレールがある。レールのない雑草が繁る枕木だけの砂利道をどこまでも行くと鉄橋があり その先があのトンネルであった。

そうかぁ独りじゃなかった。
誰かが傍にいたんだ。私の左手を誰かが曳いているのだ。
その人は‥

トンネルの中は闇、ライトを浴びて影が揺らぐ。


 その頃、父が都会の現場に出稼ぎにいったまま、何年間が過ぎたが連絡がとれず、途絶えたままであった。警察にも行方不明者の捜索願いを届けを出をしても、梨の礫でした。当時の日本は労働者不足のため、金の卵と持て囃され、中学校を卒業と当時に列車に揺られて、関東方面にある企業傘下の工場へと送りこまれたそんな時代であった。都会には人間が増加し当然の如く、それらの周りには飲食関係や歓楽街・遊戯施設が造られて、なかには様々な誘惑に嵌りこみ抜きさしならぬ状態になった者も沢山いたのである。なかには借金を背負い遠く山奥の飯場へ無理矢理押し込められ、或は薬に溺れ野垂れ死ぬなど人間の縮図そのままでありました。父とは限らぬまでも、ひとは低き処へ転がっていき、風が流れるように都会の闇の迷路に迷い消えていく人々もおりました。

 母も姑も行方を探しあぐねて疲れ果て、結果として夫は二度とこの集落に戻ってこなかったのである。当然のごとく収入源は母の肩に重くのしかかってきたのである。田畑仕事だけではあまりにも収入も乏しく、生活に困窮した状態が続いたのでありました。
その後、母はバスで30分ほど離れた、国道沿いにできた安手のドライブインに仕事をみつけて働き出したのである。それでも生活は覚束ない状態であった。母は酌婦として呑み屋に仕事場を替え、それが始まりだった。ある時から酒臭いまま帰りが遅くなり、しまいには泊まったまま戻らない事もあった。

狭い集落では乱れた家庭が噂にならないはずはない。
母がトラック運転手と共に出て行く覚悟をしたが、私がこの歳になってなんとか母のことを納得できるようになった。
そして私の手をとり集落を逃れようとしたのである。

しかし祖母は息子が戻る事を信じて出て行くことを良しとしなかったろう。
「そったな めぐさい(おかしな)ごとばすて おしょすべ(恥ずかしいだろう)」
「‥‥」
「なしてそったなだらしね嫁なんだべ」
「あのすと(人)が、わだしと子とあんたばぁおいでったんねの」
「んだがらって、おどご(男)はぁつくって孫までつれ出でぇぐなんて‥」
「わだしのなした(産んだ)子だぁ。つれでくべさ ホラいくべ直樹」


線路の上を母の手に曳かれ闇の中を歩きつづけた。

この集落に嫁いで、頼りの亭主は都会の現場で行方不明となり連絡もない。姑と母の仲は険悪なものだったのだろう。嫁姑の罵りあいは子供の私にとって醜く恐怖の日々でした。祖母はこの集落に残されることは姥捨て山同様の気持ちだったのだろう。
そして、いざ出て行く段になると
「ででぐな こごさいれ」
「もは、ここさは‥おらんねぇ」
「ワシと墓ば捨ててぐのが この鬼嫁は!」

息を荒くして追いかけて来たのだろうか、或はここで潜み懐中電灯を持ち潜んで待っていたのだろう。

お互い罵りあい、醜い争いがあったのだが、私は瓦礫の陰に隠れていたが、懐中電灯の光でトンネルの壁に映しだされたのは両手に煉瓦を持上げた影であった。
それは頭の上に生えた二本の角のように蠢くと突き刺すように下方に向けられた。

影が壁面に映し出した角は煉瓦を持上げた祖母の腕であったと思う。
レンガを振り下ろし母を見下ろす祖母の姿‥。
「お・おがさ‥‥ん」
母の頭部は黒い液が流れ落ちている。

頭部に鈍く撃ちつけた音がして悲鳴とも唸り声が聞えたが暫くすると闇に消えた。
どさっと腰を降ろす音がすると、荒い息が窟のなかで別の生き物のように響く。
そして押し殺すような笑い声の気がしたがやがて叫びとかわった。
「なじょしてだ・・よねこ、なじょしてこんたな事になるんだぁあ」

懐中電灯の光がつくりだすぼやけた影の像が構内に浮かぶ
私は闇に映し出された影と叫びに怯えて震えていた。

音が母の上に被われていく、レンガを載せている。それは墓のようにもみえた。

祖母は私に懐中電灯を向けると傍にやってきた。
「おまえも‥あっちさいぐがぁ」
私は眼を被ったまま、声にならぬまま泣きつつけていた。

「事故じゃ山がきて崩れたのじゃ」祖母はそう言うとレンガを投げ捨てた。
「けるぞ 直樹」と呟きながら手をさしだした。
‥私の記憶は闇と闇の間で途切れた。



その後、落盤事故で母の遺体が掘り出され、葬儀が行われた。
祖母の傍には無口になった自分がいた。

記憶はいつまでも片隅に押しやられながらも、夏蝉のなく頃になるとヒダから滴るように蘇えるのである。それがトラウマになっていたのだろうか、煉瓦の建物に畏怖を感じる時があるが、夢の中の出来事として完結していたのである。

いま思えと‥‥争ったのは事実だろうが、脆い壁が崩れて下敷になった母を、祖母は瓦礫から指で救い出そうとしていたのを、私は誤解していたのかもしれない‥‥闇の中に影だけがが踊る‥
闇のなかの影、記憶のどこかに幻ともつかない鬼がおぼろげに現れては消えてゆく。私のどこかにも鬼が宿っているのかもしれない‥。


アナウンスがながれ 目覚めるとバスはもう直ぐ終点に到着するところでした。


東京に戻り、電話をすると息子の元気そうな声が電話の向こう側で笑いかける。少しは逞しくなったのだろう、この夏以来、喘息発作はなくなったのである。

明日から会社の盆休みになる。息子に会いにいかねばならない‥
闇に映されたあのトンネルの壁は‥もう埋められて潰されてなくなった。
幻のような少年期の迷路を遠い過去に封印してしまった。




そして‥その年の夏の終り、あの手紙の滲んだ文字の内容は判らないまま 祖母は母の許へ旅たって逝った‥‥。

墓に向う山道、蝉が一声だして飛び去っていった。





了    



物部黒彦
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『はな日記/八月末の風景』2009-8-27

『はな日記/八月末の風景』2009-8-27

つたの花①-はな日記8-23①

あかみさす愁いをつめてななかまど 【歩句】『ななかまど』11434

ななかまど①-ななかまど②

簪の秋に揺られし木のささげ  【歩句】『木ささげ』1146


秋 木ささげ 2009-8-26①-秋 木ささげ 2009-8-26②

石割りて杖でささえし葉のさくら  【歩句】『石割の樹』1143

秋 石割櫻①-秋 石割櫻②

はな日記8-23③-はな日記8-23②

旅たてぬ白蝶草や哀れなり  【歩句】『ガウラ/白蝶草』1145

「ガウラ/白蝶草」
はな日記8-23④-はな日記8-23⑤
「顎紫陽花」
紫陽花8-23-はな日記×8-30③


これはなんですか?まさかヒヤシンスじゃあないよね。
はな日記2009-8-30f-はな日記2009-8-30g

-はな日記2009-8-30e

咲きつづける花々‥
はな日記2009-8-30④-はな日記2009-8-30①
                          「ヒーマンの花」
はな日記2009-8-30②-はな日記2009-8-30⑤

はな日記2009-8-30⑥-はな日記2009-8-30⑦

はな日記2009-8-30⑧-はな日記2009-8-30⑨

紫陽花2009-8-30①-水門2009-8-30


----はな日記2009-8-30a

はな日記2009-8-30c-はな日記2009-8-30b

はな日記×8-30②-はな日記×8-30①






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『Re:CR氏へ/クロスロード 8-29(土)ジプシージャズ』

『『Re:CR氏へ/クロスロード 8-29(土)ジプシージャズ』

桜山界隈 古地図

クロスロード予告

20:30から スタート ジプシースイングジャズ --¥1500

『HCM in CR』
HCM in CR ①--------HCM in CR ②

HCM in CR ③--------HCM in CR ④

HCM in CR ⑤



 

書き込み有難うございます
ブログを拝見いたしました。
尋常では入り込めず
なんとか辿りつきました
これからですね
ゆっくりつくりあげるつもりですね
九六


『櫻山神社』
櫻山神社8-26①

櫻山神社8-26②-樹の注連縄

クロスロードの傍にある神社です。三角の巨石、烏帽子岩があります。

九六
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『Re: R氏へ』返信

『Re: R氏へ』返信

やぐるまとんぼ矢車蜻蛉ですね
エッ 赤蜻蛉の矢車? 
さがしてみます 九六


ミズの瘤はあまり軟くせず、唐辛子もいれますよ
翌日が食べごろですね  九六



Rくんへ
突然伺いまして失礼しました。
ありがとうございます。
拝見しました。いいですね
例の件、よろしくお願いいたします。



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【歩句】『赤蜻蛉』1142

『赤とんぼ』2009-8-26

赤唐辛子のような蜻蛉が池の端にやすんでいる
近づいても逃げもせず‥

はなの実をめぐり傾げる赤蜻蛉  【歩句】『赤蜻蛉』1142


『赤とんぼ』2009-8-26

赤蜻蛉①-赤鬼灯2009-8-26 +

秋 城の池




鬼灯の化粧負けぬか赤とんぼ  【歩句】『あかとんぼ』1147



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『ミズの瘤』2009-8-25

『ミズの瘤』2009-8-25

山菜 ミズの瘤

山菜、春のミズもいいが秋の瘤(こぶ)はたまらない。
さっとゆがいて ダシ醤油を熱い内にかける
このコリコリの感触がいい


ミズの瘤 8-26②-とろろ飯8-29②

一日漬けておいたミズの瘤ととろろ飯。
旨い。



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『秋のみのり』2009-8-24

『秋のみのり』2009-8-24

「豆柿」
豆柿


「栗」
栗のイガ-秋

栗2009-8-30①-栗2009-8-30②

触らぬかいまは祟るやイガの栗  【歩句】『いがぐり』1148

「渋柿」
柿①
「秋光と柿」
柿②-はな日記-秋⑬-1  8-24

柿2009-8-30②




「稲」 今年は気候が不順で心配しましたが‥
稲2009-8-30①-稲2009-8-30②






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『不思議な果実/ポポー』

『不思議な果実/ポポー』

「なんだろう?」
「ぽぽーとかポーポーっていうのよ」
「アケビかなぁ‥」
「カスタードクリームの味らしいの」
「ふーん そうなの」
「最近出回ってるらしいのよ」
「ネットで調べてみよう もしかすると知らないのは私だけ‥」

ある喫茶店での会話でした

ポポー①

ポポー②
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『かぼちゃの種』つれあい日記2

『かぼちゃの種』つれあい日記2

南瓜の種乾し

南瓜の種②

麦酒のツマミに種を煎る
「うーん まあまあかな」
「せっかく 剥いたのにぃ」
「‥‥」




南京の炙りし種や秋の酒  【歩句】『種あぶり』1149
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『はな日記』 2009-8-23

『はな日記』 2009-8-23

秋の気配。

はな日記-秋①

はな日記-秋②-1-はな日記-秋②-2

はな日記-秋③-1-はな日記-秋③-2

はな日記-秋④-1-はな日記-秋④-2

はな日記-秋⑤-1-はな日記-秋⑤-2

はな日記-秋⑥-1-はな日記-秋⑥-2

はな日記-秋⑦-1-はな日記-秋⑦-2

はな日記-秋⑧-1-はな日記-秋⑧-2

はな日記-秋⑨-1-はな日記-秋⑨-2

はな日記-秋⑫-1-はな日記-秋⑫-2

はな日記-秋⑩



沿線の旅ゆく窓に花かしぐ 【歩句】『橋場線/田沢湖線』1150

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『松島/瑞巌寺梵鐘と五郎八姫霊廟』

『松島/瑞巌寺梵鐘と五郎八姫霊廟』


【歩句】『松島/瑞巌寺梵鐘』 

ひぐらしやきこえし鐘は何処やら  



松島瑞巌寺の山門脇、こだかき岩上に鐘撞き堂がありました、どこにいても鐘が鳴ると味噌汁の香りのする家路についた。そんな想い出の夏がありました。
『松島/瑞巌寺梵鐘』1
松島の鐘楼③

松島の鐘楼①

先日松島に行きました。その時に写してきましたので一緒に載せてみます。九六




『松島/五郎八姫』

伊達五郎八姫(いろはひめ)の霊廟

伊達五郎八姫の霊廟①

伊達五郎八姫の霊廟②


【※】
陸奥国田村郡iの豪族で坂上家末裔、田村一族の愛姫(めごひめ)は伊達正宗に嫁ぐ。その子 五郎八姫(いろはひめ)の霊廟は幼き頃より知ってました。
愛姫は家存続を願い再興する。伊達と南部の間、現在の一ノ関 に田村藩として存在しましたが伊達家分国として明治を迎え現在まで血をつないでだのです。

補足ですが片倉家も田村一族の流れをくんでいるといわれる。
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『はな日記』 2009-8-18

『はな日記』 2009-8-18

「立葵-たちあおい-」大きいなぁ 蟻の大きさと比較するとわかるかなぁ
たちあおい①立葵と蟻

たちあおい②-たちあおい③
「たちあおい」               「とんぼ」        
たちあおい④-とんぼ②

てっぺんにはぐれ蜻蛉や風揺らぐ 【歩句】『秋津』1141
とんぼ①-とんぼ③
「むらさきしきぶ-紫式部-」
むらさきしきぶ①-むらさきしきぶ②
「百日紅-さるすべり」
庭に三本の百日紅があります。そのうち一本は赤紫、色鮮やかです
百日紅-さるすべり①-百日紅-さるすべり②
                「つゆくさ」
つゆくさ
                「はな枯れ」
はな嗄れ



☆彡


 

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地図の足袋『伊豆沼の蓮見舟』

地図の足袋『伊豆沼の蓮見舟』

渡り鳥の越冬地であり、多数の鳥類たちの生息地であります。
八月は蓮祭りで観光の蓮見の小船が湖水を巡る。
水質が気になる。

蓮の花★


仙台から伊豆沼・長沼の東・西側道路は私の好きなドライブコースです。
以前に新田柵を訪ねて両湖の間の新田山道をさすらった事がありました。


天平の頃、多賀城の支鎮として「新田」「中山」「玉造」「色麻(四甕)」「牡鹿」五柵を造ったとある。

地名であるが「駅名ものがたり」の表示板には出雲風土記の湿地の仁多郡に雨多と名づけたとあり、この新田と雨多の語呂が同じだと記述してあるが‥。

最近は伊豆沼南西の御殿坂より発掘された八脚門跡が新田柵と云われる、多賀城(柵)から真北、鳴瀬川を渡河して歩むことになる。傍には多賀城の瓦を焼いたといわれる木戸瓦窯跡があり、又、宮沢遺跡(桃生城?)もある。


謎は謎を‥

【※】過去の探索は不思議路

「中山柵」米山町中津山城内?
「玉造柵」日高見神社の西、
「色麻(四甕)」加美町の城生柵とされている。457号線より西へ。城生
「牡鹿柵」は伊寺水門(石巻)手前、矢本の赤井遺跡なのか、
      日高見川(北上川)をのぼれば北の蝦夷なる國へ至る。
「桃生城」宮沢遺跡‥
「伊治城」伊治(コレハルノ)君アザマロ、向かいは阿久戸(カカト曲り)か‥

思い倦んで 足袋(タービン)に跨る。そんな日々がありました。

地図を頭にいれて細き路に入る。要害ありて覗く‥  
北上川の両岸をさすらう。
起点は多賀城の柵、そして 外ケ浜 十三へと続く。

過去に旅をした記憶はうすれ、新しき記録がかさねられる。
古代道は藪のなかに潜むのだろうか‥社を訪ねては線をひく
地図帳に書き込まれた○印と線

そのうち ゆっくりと遊ぼうと思う日々に埋れる。

九六

☆彡
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『は・な・び』 2009-8-17

『は・な・び』 2009-8-17

MATUSHIMAのは・な・び を妻とふたりでみる。
灯篭流しで海が螢のように漂う。
そして‥花が咲く。

は・な・び ①-は・な・び ②

は・な・び ③-は・な・び ④

は・な・び ⑤-は・な・び ⑥

は・な・び ⑦-は・な・び ⑧

は・な・び ⑨

下記の左写真をクイックしてごらん。 当然 右は闇の中
は・な・び ⑩-は・な・び ⑫


ちりてはな闇にもどりし夢一夜  【歩句】『ゆめひとよ』1140





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『漫画の蟲々』2009-8-8まで

『漫画の蟲々』2009-8-8まで

『蔵/新旧蟲のたち』再度読んだのも含めて掲載

クラッシュ!正宗/たなか亜希夫--妖精探偵社/米村孝一郎

フロントミッション ドッグライフ&ドッグスタイル②/太田垣康男-C.H.LINE-ドッグライフ&ドッグスタイル③-イキガミ 書店配布版

ドラゴンボール タイ版-のぼう/花咲アキラ-バイオメガ/弐瓶勉

俺と悪魔のブルース③-機動旅団八福神⑧-機動旅団八福神⑨/福島聡


-ドライブ①/皆川亮二-海獸の子供/五十嵐大介④-海獸の子供/五十嵐大介④-2

極東綺譚②/衣谷遊-宗像教授異考録⑪-蒼空の咆哮/滝沢聖峰 

初期のURASAWA 浦沢直樹-浦沢×岡林 パンフ-剣客商売④/大友やすいち

難波鉦異本/もりもと崇-大江戸奇綺人譚/もりもと崇-鉄人28號①/横山光輝 復刻

凍土の旅人/谷口ジロー-化石人間/手塚治虫+








☆彡






















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九六綺譚 『みずのさき』

九六綺譚『みずのさき』


誰もいない岸辺 ただひとり佇む‥
途中まで妻が隣りを歩いていたはずだった

ここはひとりで来る処ではではない
なぜかそう思う

空は蒼い、静かだ、
ひとの気配がないためか ものすごく寂しい気がする
夏の景色なのに、暑いともかんじない
風もなく空気が留っているせいなのだろうか

でも、私はこの景色を知ってる
しかし思い出そうにも どうしてもいつ頃だったか
思い出せない。確かに来たことがあるのだ‥

湖?-湖?-湖?

砂はやや朱の色をしている
水を含んでいるせいか足元が覚束ない
鳥の声もしないので不思議なこの岸辺を立去ろうともと来た足跡を探した。
水際に至るまで鞜跡が付くほどの柔らかな地面だったのだから
当然跡がついているはずなのです。それがない。

とにかく水際から離れて妻を探すため林の方向に向かった。
しかし林の樹まできて愕然とした。
「枝が絡んでいる!」
どこかに出口があるはずだ。とにかく林にそって歩くことにした。

絡まる樹①--絡まる樹②

これでは行けない、私はどこから入ってきたのだろう。

--湖◎

振り返れば絵葉書でみるような湖。湖?湖なんかじゃない 緩やかに流れている。
川、河、河と言った方がいいくらい対岸が遠い。そうか河だったのか。

しばらく歩くと枝振りのいい蔦が捲きついた大樹がある。来る時はなかったのだから逆方向に来てしまったのかもしれない。

----------------蔦の樹①

突然、樹の根元に誰かがいる。妻じゃない誰かだ。
-まるで石で出来たように動かない
薄汚い布を頭から被っている老婆が眼をとじたままじっとしているのだ。
とりあえず声をかけてみよう
「こんちわ‥」

老婆は相変らず沈黙したまである。
なんだ もしかすると‥いや唇が動いている
なにかブツブツと唱えている  お経なのだろうか
僅かに抑揚が耳に振動してくる

「ねえ お婆ちゃん、林の出口を知らないですか なんか迷ってしまったみたいなんですが 」
「‥‥じょいっさいくしんじつふここせつ‥‥」
なんだ 惚けているのかなァ

仕方がないので戻りはじめ様とした。すると
「まだ来だが まだはえべ おめさんがくるには まだはえべ」
「なんだって」
「いまなら まだもどれるべ」

まるで声を押し殺しお婆の声には聞こえなかった。
それは恐山のイタコが語る口寄せにも似たものだった。

「今の言葉は、いまなら‥も・ど・れ・る って言いました?」
老婆はゆっくりと眼を大きくひらいた。
その眼は赤く血走っていて、口も先程より大きく裂けてみえた。

「おめさんの衣ば預るのは まだはぇーといったんだぁ」
「衣って私の服のことなのですか?」

老婆の後ろにある樹には葉と思ったが、よくよくみると服やら着物が垂下がっていた。
「この樹はなぁ、えりょう樹といってな剥ぎ取った衣を掛けるものじゃわ ヒヒヒッ」
「えりょう樹、衣領樹なんですか」
「ほほう、しとっるけ 六文も持たずに来たもんは ワシが奪いとるべさ」
「なら ここは さ・三途の川って‥」
「ヒヒヒッ 今日は爺がいねぇ ほだから安心して 帰れぇ」


悲鳴をあげて走り出した。樹々の間を無理矢理抜けてきたのだろう。
妻が私をみつけたときには顔、腕は傷だらけであったらしい。
服も裂けてそれは無残な姿だと 後から聞いた。


一度、子供の頃に熱をだして意識不明となり奇跡的に治ったことがあった
あの時の夢のなかに婆と逢っているのだ。
その時も、「おめがくるには まだはえべ」と追い返された気がしたのである。

父母にその事を言ったが、母は衣領樹の樹の下にいる奪衣婆(だつえば)と、懸衣翁(けんえおう)にお反しされたといって、よくお経を唱え続けていたたのを覚えている‥。

そう あの婆の名は‥‥。


般若心経①--般若心経②








----------------------奪衣婆




了-九六




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『迎え火』

『迎え火』

迎え火



【歩句】『新盆十句』1130-1139

迎え火や樺けむりては誰捜す

ゆるやかに坂登りゆく手桶水
ひと声の蝉やとび去る初の盆
新盆やなごり冷えたる瓶麦酒
たむけるや華酒煙草墓のまえ

香ながれ厨にこもり手酌酒
でおうたか線香ハナビ父や母
打上げし花火咲くやらはつるやら
行灯の妖しくまわり雨のおと

帰省盆友も今宵はでずまいに


『木中仏』
木中仏

『舟っこ流し』
ふねっこ流し

ふねっこ流し⑥------ふねっこ流し⑤

ふねっこ流し③------ふねっこ流し④


『ゑ般若心経』
ゑ般若心経



『お線香』
お線香 井口さま ありがとうございます

盆の花8-13------観音さま




☆彡

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【歩句】『八月の紫陽花』1128

【歩句】『八月の紫陽花』1128-129

いましばし紫陽花淡く遠回り

なが雨の紫陽花化粧おとしけり


紫陽花8-13①

今年は梅雨明けはありませんと予報士が語る。

☆彡
紫陽花8-13②

この時期の紫陽花も趣きがあり好きです。

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九六綺譚『天女』

九六綺譚『天女』





『飛天』


薄暗い真中に阿弥陀如来がいる
そして‥
多くの飛天が空を舞う姿があった。
少年は寺の戸の隙間から飛天をみると 何故か懐かしさを感じた。

飛天★②

飛天★③-飛天★④

飛天★⑪

飛天★⑤-飛天★⑥

飛天★⑫

飛天★⑦-飛天★⑧

飛天★⑩

飛天★⑨-飛天★①


九六綺譚「天女」

突然、目の前をよこぎる女がいた
失礼なやつだと思い立ち止まる
何故か解らないが その女がこちらを振向いた
「えっ、」
女は微笑みながら俺の方をみている
最近はみかけない いい女だと‥ 
自分じゃないと、思わず後を振り返るが誰もいない
なんだこの女は 俺は‥あんたをしらないよ
見た事も、逢った事もない
それなのに 何故俺の方むかって微笑みかけるのだ
そんなぁ 四十歳の今まで突然振向かれた経験もない
とにかく知らない女が俺をみているのだ

「きみぃ アキラくんでしょう」
-こ・こいつ、な・なんで俺の名前を知っているんだ-
「なんだよ、なんか用かよ」
「はーん、あたたったよ やっぱりアキラくんだぁ」
なんだよ おかしな女だなぁ。どうして俺の名前を知っているんだぁ
「お・おれはおめぇなんかし知らねぇぞ、気味の悪い奴だなぁ」
「私は知ってるわよ アキラくんのこと全部をね」
「何を血迷ってるんだ 一体全体‥おかしなことばかり言ってやがるんだ」
「フフッ」
「通してくれよ 俺は忙しいんだ 構わないでくれ!」
「いいわよ」
「どいてくれ」投げ捨てるように女を振り払い立去ろうとした

「‥でも どこへいくのアキラ」
「なんだよ どこへって俺は家に‥」
「家ってそっちなの?」
「そうだよ この道を真っ直ぐ行ってぇ‥み・右に‥」
俺の前には‥ そう、前には何もない ぼんやりと霞のようにした風景があるだけである。
「なんだよ 俺は今までいつものバスの停留所を降りて いつもの通り歩いて‥」
バス停留所の方を指差しながら その方向をみた。
そこには 前と同じに霞が充満していた。

「ねっ やっと解ったようね ア・キ・ラ」
頭の中が混乱してきた。
「ここは、ここはどこなんだ まるで夢を見ているようだ」
頭が痛い。
足が重い。
體躯に力が入らない、まるで金縛りにでもあったように動けないのだ。
混乱して気がおかしくなりそうだ。
もしかすると、時間がとまっているのか
それとも 俺は本当は死んだのか、まさか 俺はここにいるんだ。
ほら息もしている。
この変な女が出てくるまでは確かに歩いていたんだ
バスを降りて公園の小径を横切り‥
確か煙草i火をつけたんだ、た・煙草は あった あったぞ
震える指で煙草をくわえるて ライターをとりだした
「あれっ なんだ?」
ポケットの中からスカーフが丸まってでてきた。
女は黙ったまま俺の仕草をみている
「なんだよ、これは このスカーフはチョット前に拾ったんだよ」
「貴方はその布が見えたのね だからベンチの角にひっかかっていたのを持っていってしまったのね」
「ああ、そうだった、この布があまりにも奇麗だったもので‥」
「アキラくん、それは私のものなの お願い返してくれる」
「‥いいよ、持ってけよ」と手を伸ばした。
「ありがとう」
女はそのスカーフを受取ろうとした
「普通なら、この布はひとの眼にみえないものなのよ」
「何を言っているんだあんたは」
「たまにいるのよね、この布が見える人間が‥」
俺は端を握ったまま放さずにいた
「もし貴方が反さないといったら、この状態から逃れることはできないのよ」
「‥‥」
「さあ、放しなさい、そうすれば元の道にもどれるわ」
「ふざけるなよ、この布がなんだっていうんだ」
「そうね、大昔にそんな男がいたわ、でもその男は不幸になった‥」
「不幸?いまだって十分な位不幸だ、自慢する訳じゃないけど上司と喧嘩して辞表を叩きつけてきたばかりなんだ」
「知ってるわ、でもこれを反してくれれば、少しだけ時間を戻してあげるわ」
女は俺の手を包み、指を開き布を奪いとった。
「本当に有難う この布の糸を一本あげるわ」
そういうと女は布端の一本を僅かに抜きさり私の手に戻した。
「なんだよ、もういいだろう」
「その糸を騙されたと思って 飲み込んでこらんなさい」
「大丈夫なのか」
「それがあれば 過去の好きな幸せな時間に戻れるわよ 本当よ さぁ呑んで」
そんな話があっていいのか。突然現れた女にスカーフは自分のものだと言うし、糸を呑めば過去の自分の一番幸せな行きたい時代に行けるなんて 信じることなんかできるわけがない。
「でも、まあいいか なんかのテレビ番組なんだろう、ほらよくあるやつさぁ」
不可解な霞の世界にいるよりテレビの方がマシかもしれない。
騙された気分で舌にのせてみた。
「溶ける前に願うのよ、いつがいいのかなアキラくん」
「ふーん、綿飴みたいだけど甘くないぞ、でも、そうだなぁ子供時代がいいかもなぁ」

やがて霞が薄れてはれだしてきた。

「うーん あれっ」
突然、町の騒音が劈くように聴こえはじめた。
その通りには 少年と女が佇んでいた。多くの人々が家路を急いでいる。
女は少年に向かって
「さあアキラ君 帰ったほうがいいわ、お母さんがご飯をつくって待ってるわよ」
「おねえちゃんは誰なの?」
「ふふっ 内緒よ」
「へぇー、じゃまたあえるのかなぁ」
「君は特別の眼を持っているし‥そうねまた逢えるといいね」
「ああ、じゃあね」
夕陽が地平線の彼方の山にかかろうとしていた。
二人は別々の方向に歩きはじめた。

「あの子は、きっと長生きするわね‥」
女は呟くと布を首に巻いた。そして風が吹いた。

了-----九六



-------------飛天01





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『入道/ブルースに包まれて/クロスロード』 2009-8-8

クロスロード ライブ通信
『入道!来盛/ブルースに包まれて』2009-8-8

ノリにノッテ 愉しんだぜ!!!!! アハ~ン  ンン~ン

とにかく記憶だけで描いて 載せてみよう。
盛岡特別入道メンバー

入道B-①

入道B-②--入道B-③+

入道B-④+--入道B-⑤+

------------------入道B-①+



てっちゃん マスター メンバー方々 そして入道さん
えがったよぅ
下の店の方 サンクス
また来るのを 待ってる  アハ~ン♪

九六


寺田 調子 船越 横浜 &入道
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『柳沢/巌鷲山の社』

『柳沢/巌鷲山の社』


-------------巌鷲山8-3①

巌鷲山8-3②---------巌鷲山8-3③

巌鷲山8-3④--巌鷲山8-3⑥

巌鷲山8-3⑦---------巌鷲山8-3⑧

巌鷲山8-3⑨---------巌鷲山8-3⑪-1

巌鷲山8-3⑪-2----------巌鷲山8-3⑪-3

巌鷲山8-3⑪-4----------巌鷲山8-3⑪-5

巌鷲山8-3⑪-6----------巌鷲山8-3⑪-7

巌鷲山8-3⑫-1----------巌鷲山8-3⑫-2

巌鷲山8-3⑫-3----------巌鷲山8-3⑬-1

巌鷲山8-3⑬-2----------巌鷲山8-3⑬-5


『社務所』
-------------巌鷲山8-3⑬-4


鬼越峠を越えやがて目の前に巌鷲山がそそり立つ。
右に向えば柳沢
左は雫石 小岩井
正面に賢治の愛した鞍掛山 そして網張の温泉

この山に昔登ったことがある。その時は柳沢の馬返しからでした。
柳沢には田村麻呂が勧進し、巌鷲山大権現社を開基と云われる「岩手山神社」がこの地にあり、源氏系の工藤氏(栗谷川)が宮司とし祭祀したとある。

彼女が驚いたように声をあげた。
「この神社脇の小川は水がきれい」
「この小川が諸葛川になり雫石川に注いでいるんだ ここの水は最高だよ」

以前、諸葛川の下流 古川から辿ったことがありました。汚れた川がドンドン奇麗になり辿り着いたのはこの神社の小川でした。
この山からは他に支流があり木賊川(とくさがわ)もあるが種蓄牧場脇から厨川の柵の北で北上川に注ぐ。

「いま通ってきた道の途中で、岩手山がとても綺麗な場所があったわ」
「あそこが春子谷地湿原といって諸葛川の源泉だよ。山の雨水があの湿原に集まって林の中からここまで流れでるんだよ  でも林の中には月の輪熊がいるから歩くのは気をつけないとね」

春子谷地湿原のある場所は草原が岩手山に向って緩やかに下っていて谷地の先で山が盛り上がり  思わず見とれてしまう。姥屋敷方面には水芭蕉の群生があり時期になると白い花(?)が咲き乱れる。

「ここも田村麻呂伝説の神社なのね」
「確か滝沢の篠木地区にも田村神社があり、一本木地区にも同名の神社があったはずだよ、五龍の藤がある角掛神社も麿伝説の社なんだ」
「ふーん、どこにも足跡あるのね」
「そりゃそうだね、東北の何處に行っても伝説というか標しが溢れてるよね」
「まるで点と線の謎探しみたい」
「足跡は京から以北には特に多く、寺社など特に福島県田村の庄、宮城県、岩手県、そして青森県まで残っているみたいだなぁ」

「ねっ!今日はここまでにして足跡の探しは止めてご飯にしようよ」
「じゃあ、帰る途中にある角掛神社の五龍の藤とさぁ、湯舟沢の謎の環状列石遺跡跡をみてからにしょうよ」
「駄目、お腹すいたぞぉ」
「この巌鷲神社の阿弥陀・薬師・観音の行方についても‥」
「もう車に乗っちゃうよ」

あーあっ
阿弥陀如来は来世を
薬師如来は現世を
観音菩薩は‥民の様々な悩みを‥‥とくに阿弥陀如来、この地区に多い十一面観音‥
次回にしよう。この手の話は駱駝氏(釋氏)が詳しいのだけどなぁ。

「早くスタートしようよ!!」

でも彼女は何度か登っているはずだよね。
☆彡




☆彡 お新山のこと

巌鷲山の麓、柳沢ある神社です。緑のなかにありここからは山神のテリトリーとなります。
この山に登るにはいろいろのコースがありますが、遙拝所で参拝して 徒歩で行くため馬返しといっていました。駐車場も完備され車輛で行く事もできます そこには 鬼又清水といい山の冷たい伏流水があり喉を潤すことができます。
同名の神社は小岩井の先 長山頭無野にもあり、市内旧三戸町平山小路にも社があります。

西根コース 焼走りから
小岩井奥、網張コース リフトで途中までいけるんだよ 
松尾温泉コース
そして柳沢コース

奥の宮は頂上と春子谷地湿原付近(未確認)

縦走(?)しましたね 若い時‥ わたしゅあ今はむりだね 
ねえOKUDAさん!!

次回
三戸町平山小路の岩手山神社にしようか‥




『岩手山神社』

つづく







☆彡
巌鷲山8-3⑬-3


結びたる心のよわきを夏の風   【歩句】『御神籤』1127


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【つれあい日記】 いろはの『い』

【つれあい日記】 いろはの『い』

オイラ誕生日にのデタルカメラを家族三人から貰ったのは二年前。
でも まともに つかったことがない。
なぜなら、彼女専用の記録写真機となってしまったからです。

今まで彼女のどんなものを撮っているのかあまり気にしていなかった
確かに様々な記念写真が多いのだけど
みてみると中には、彼女の視点を知る事ができました。

ここ2年間の数点を紹介してみようかと‥思います。
顔が写ってるものは基本的に除きますが 
でも 彼女がその時 何に興味を向けているのかわかります。

さて‥
月に叢雲‥『月蝕』なんですね。いつだったろう?満月が闇から顔をだす。
月蝕①

次は『孔雀仙人掌』 派手な色です。サボテン-仙人掌 凄い鮮やかだ。
孔雀仙人掌③
突然ひらくのです。二階ベランダにて
孔雀仙人掌①-孔雀仙人掌②

浅草『雷門』  一緒にいきましたね。友人もやって来て愉しかったね。
浅草/雷門
これも浅草でしょうね、記憶にない。 私の携帯カメラと比較すると愉しい。 
浅草

いい山ですね 『巌鷲山』 おそらく雫石川の土手からでしょうか。毎日通う会社への自転車路。
雪のやま①

別の日 とてもいい天気で 感激して きっとパチリと‥
雪のやま②

いいなぁ 『はな日記』につかいたい。何の花か判らないぞ
花の山

コスモス

蓮の花


なかなかどころか 面白いぞ。そのうち『いろはの呂-ろ-』に続くとする。
九六







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『三ッ石野の鬼』

『三ッ石野の鬼』

三ツ石⑪

やっと この地に迷いながらも 着いたのは蜩が鳴く 陽が傾いた頃であった。

「こごは北山とゆってな寺町なんでごあんす 昔は三ッ石野ってゆってな鬼がいたんだど」
私の顔をみるなり ひとの良さそうな老人は、たまに訪れる旅人を地元訛りと笑顔で迎えてくれ、親しげに地名の由来を語りはじめた。

藩政時代、ここらは田圃と寺社があったと思われる。古地図を調べると南部陵墓には五重塔がそびえていた。旧くは清水寺という寺が存在していたらしい、此の辺一帯は寺などを不來方城の鬼門に配置したふしがある。
左側は榊山、正面は愛宕山、川を挟んで岩山と町を取りまくように小高い山が続く。

「鬼というのは、桃太郎の鬼ケ島にいた あの鬼の事ですよね」
「おめはん 鬼の手形をみさきたんだべ、ほれあそこさあべ」
巨大な磐は背丈の三倍はあろうかとおもわれる。
「わがるべ。あの苔の剥がれだどこに手形がみえねが」
老人の指先は磐肌に濃い緑の苔を示している。

「まなご こらしてみてみろてば ほれあの高け処‥」
「‥よくわからないけどなぁ」
「あんたな高けぇどごさ届くのは よっぽどでっけぇ鬼しかねべ」
凝らしてみると‥言われた指先の方向に掌と指の形がなんとなく判別できた気がしてきた。

「この磐っこは巌鷲山から飛んできてんだど」
「噴火でですか?」
「だと゜もよ 人はぁ そったなごど信じるがどうがほだぐでねけど、昔からそう云われてきたのさ」

「ここは田村麻呂がきたという伝説がありますよね」
「都の人だちが鬼ば追っ払って 鬼ハァ北の鬼越峠さ逃げだんだど」

鬼越峠といえば滝沢村の裏手から姥屋敷や小岩井へ続く峠道である。確かあの辺りの西には雫石に続く長山道の篠木峠、北側には巌鷲山神社の柳沢のあったはずだ。
もしかすると時代は違うが、安倍・藤原一族の逃避行に関係してくるのかと思い巡らす。
ここに来る前に奥州街道の東、玉山釘ノ平から入った東楽寺を訪れて十一面観音を観てきたが何故山奥にあのような観音像があるのか不思議に思っていた。
北に逃げた鬼は誰を指すのだろうか。

「まんつ、鬼ば退治してもらい喜んだ民は輪をつくって踊ったんだど」
「さんさ踊りの起源なんですか?」
「ほだぐでねな、ゆっくりねまっていけばいいべ へば‥」

夕陽がさして、老人の影が木立の地面に映しだす.
長く伸びた影が大きくなり、梢の影と交差する。
老人の頭部分の影がいつのまにか角が生えたように描きだした。

九六

三ツ石①-----三ツ石②

三ツ石③-----三ツ石④

三ツ石⑥-----三ツ石⑤

三ツ石⑧-----三ツ石⑧⑦

三ツ石⑩-----三ツ石⑨




【歩句】『磐苔の誓文』1126

鬼泣くなもいちど踊れ輪にへいれ


民は去った鬼にまた共に踊りたいと願った‥のかもしれない
さあさあ おへりゃんせ かなわぬ思い
はらはら はらせ

やっこらチョイワやっせ

☆彡

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『九六ゑ/鯨-くじら-』

『九六ゑ/鯨-くじら-』

鯨②-

鯨③-


第二弾です




-------鯨①--------------鯨②



-------------------くじら⑤





BY九六
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Author:九六
好きなものを自由に書く、読む、観る、描く。そして遊び愉しむ。
【※】【玖絽・by96・九六・九路・KURO・物部黒彦】【96猫國から発信】
【※】-半世紀分の散らばした気侭綴ゑ-

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