九六の匣

さまざま詰めこんだ匣

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【九乃翁綴】『長谷川かな女』()

【九乃翁綴】『長谷川かな女』()

長谷川かな女様からの手紙01-長谷川かな女様からの手紙02


日記の中から「大切」と書かれた葉書
かなり古い切手が貼られてある。
高崎市にいた頃の父(おやじ)宛のものだった。

文字はかすれてよくみえない。
浦和の消印の下に 長谷川かな女の名前が読みとれる。
裏は大濠公園の観月橋、天の橋立と中島
やはり文字のインクはかすれている
でもなにやら俳句のことのようだ


しかしながら私は彼の人の句を知らなかった
年代構わず紐とくに

曼珠沙華あつまり丘をうかせけり

ねばりひきあろかと田向ふの初蛙

羽子板の重きが嬉し突かで立つ

呪ふ人は好きな人なり紅芙蓉

切凧の敵地へ落ちて鳴りやまず


ゑがうかぶ

俳誌「水明」を主宰とあってやっと理解した気になる。
ねばりひきは石臼
そして碾臼
一度離れた場所(水明)への回帰だったのだろうか

九六







葉をよせず気高きままに曼珠沙華

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【九乃翁綴】『山頭火』()

【九乃翁綴】『山頭火』(三句)

父(オヤジ)の句集綴り棚からポトリと…落ちた3枚の色紙
初めてみる山頭火の色紙だった。

分け入つても分け入つても青い山-山頭火01分け入つても分け入つても青い山


うどん供へて母よわたくしもいただきまする-山頭火02うどん供へて母よわたくしもいただきまする


ほろほろ酔うて木の葉ふる-山頭火03ほろほろ酔うて木の葉ふる






そういえば
父(オヤジ)はずっと昔に、呟くようにこう言ったことがある
私にはかあさんもお前たちがいる…。
でも、いい句だ。
それは句と生き方に対して発した言葉だったろう。


後に
仙台に赴く私の背と山々を駅舎からみていた…
父はその後、煙草も酒もやめた。
なにか決意があったのだろう。

句が綴られた
沢山の日記が棚に今ものこっている。



わが子が大学が決まった時
煙草を10年ほど休んだことがある

死んだ父に触れることができた…


背をおくる山の蒼さがちかくなり 


もうすぐ雨が降るかもしれない
手を離れていく息子
こいつにはこいつなりのいろんな人生があるのだろうなぁ


九六
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『ポット・ストーン』

『ポット・ストーン』

「ポット・ストーン」とは石の釜という意味で、明治8年8月28日版のザ・ジャパン・ウイークリー・メイルに掲載された記事で釜石付近から仙台にかけてのところだそうです。
内容は日本本州の北東海岸に「ポット・ストーン」と呼ばれた寒村の記事であり、自然豊かな地の紹介をしています。
この地には鉱石を搬出する為に日本で三番目に敷設された鉄路がつくられました。それが花巻から釜石に至る釜石線です。明治から昭和にかけてこの線路に携わった人々は直接・間接的にかなりの員数になったでしょう。その中に二代従事した祖父、父の影がある。

三句

貫通やすすき光れる小さき景色

山笑ふ工区不様な一発破

蜩や工夫失語の部屋ぐらし

ポット・ストーン①-----ポット・ストーン②-----ポット・ストーン③




かなり後年になって、甲子を訪れ母が聴いた絶え間のない瀬音を改めて聴き入りました。母は嫁いで川の瀬音を すぐそばで寝起きし 暫く眠れない日々があったとか‥


『ポット・ストーン』-
【参考/讀賣新聞社刊s44「岩手と鉄道」】
『釜石線』-
【参考-盛岡工事局50年史】



九六



凹道なる瀬を辿りて岳の壁
甲子の郷や
笑いてやまず  【歩句】『甲子川-かっしがわ-』1217





【“『ポット・ストーン』”の続きを読む】
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☆彡九乃翁『木の閂』の十二句

☆彡九乃翁『木の閂』の十二句


雪止まずのっぺらぼうの暮れ方よ

寒入日みじかき橋を渡りけり

髭痒き岩手大野の雪起こし

一冬を閉すしるしの木の閂

寒日の川に起伏のありしかな

鈴の尾の端の汚水や冬観音

青饅や妻に叱られること多し

鬼劍舞泣くがごとくに梅雨太鼓

檸檬絞るに男の力余さざり

幻日や陸奥国原の曼珠沙華

屠らる牛の眼さやに花野に泛き

紅葉山妻が散らばる明るさよ





※言魂考  青饅や妻に叱られること多し
青饅=あおぬた=かす・味噌・酢をあわせ、酢味噌であえたもの

※言魂考  幻日や陸奥国原の曼珠沙華
幻日=げんじつ=陽の屈折でおきる現象

※言魂考  屠らる牛の眼さやに花野に泛き
屠らる=ほふらるほ=獣の体を切りさかれたもの    
さや=清らかなさま
泛き=うき

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☆彡九乃翁『碾臼』の六句

☆彡九乃翁『碾臼』の六句


母逝きてつながりし疎し冬兄弟

厨から母が入り来る秋の暮れ

乾きたる墓ひと並び花薺

百日紅空に疵なき日なりけり

花の子へ髪逆立てて片ぐるま

この町を捨てしことあり冬木路地


六句の季語は今の季節ではないが歳同じにして我も知るのか  九六










以前紹介したる句を再度掲載

☆彡故九路翁『碾臼』の一句

碾臼や寒夜豆碾く母の音


☆彡故九路翁『碾臼』の八句

大垂氷 どっかと 竜飛の道を絶つ

津軽太棹 海へびんびん 雪飛ばす

ナニヤドヤラ めくら詞の 盆の婆

吹雪より ぬっと馬橇の 馬の面

雪止まず のっぺらぼうの 暮れ方よ

単身や 他郷の欠伸 噛む寒さ

廃校の 蛇口よこむき 春の蝉

壺の碑の 百四十一文字 野分して
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☆彡九乃翁『碾臼』より二句

☆彡九乃翁『碾臼』より二句

紙風船

息いっぱい詰めて紙風船子にもたす



良寛忌

七十のななつごころや良寛忌

九路翁句集①----九路翁句集②



※言霊匣
良寛
宝暦8年10月2日 1758年11月2日
- 天保2年1月6日 1831年2月18日
江戸時代の曹洞宗の僧侶、
歌人、漢詩人、書家。
俗名、山本栄蔵または文孝。号は大愚。
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☆彡九乃翁『碾臼』九句

☆彡九乃翁『碾臼』九句


「大垂氷 どっかと 竜飛の道を絶つ」

「碾臼(ひきうす)や 寒夜豆碾く 母の音」

「津軽太棹 海へびんびん 雪飛ばす」

「ナニヤドヤラ めくら詞の 盆の婆」

「吹雪より ぬっと馬橇の 馬の面」

「雪止まず のっぺらぼうの 暮れ方よ」

「単身や 他郷の欠伸 噛む寒さ」

「廃校の 蛇口よこむき 春の蝉」

「壺の碑の 百四十一文字 野分して」






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ある世界の‥ある時代、あの頃

ある世界の‥ある時代、あの頃

本のあいだから
その雑誌はあらわれた

この本のひとは何処へ旅立ったのだろうか

眸-ひとみ-
昭和16年6月號 創刊      茨
白薔薇   雑草とつづく‥眸②

眸 ③


茨①

きっとあなたは そのひととき 耀いたのでしょう
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【本棚の埃】弐

【本棚の埃】弐

とにかくボロボロの本を整理しはじめた。これは手強いぞ‥
次の19冊はまだ手のいいものを残したはずだが、経年劣化としか言いようがない。とにかくこれで止めようと思う。文庫本は捨てようと独り言‥。ほんとにこんなに多岐に本をよんでいたんだねぇ。

下記はとりあえず第二弾の19冊

B① 『散文詩 ボードレール』 村上菊一郎訳 青磁社 昭和21年 2版
B② 『素人芝居の演出書』 利倉幸一編  建設社 昭和20年
B③ 『可能性の文学』 織田作之助 カホリ書房  昭和22年
B④ 『果樹園芸相談』 大崎守 賢文館  昭和14年 1冊 昭12 2100  
B⑤ 『蚕病教科書』 岩淵平介  明文堂蔵版 明治45年 大正11年再版
B⑥ 『雪国』 川端康成 創元社 昭和12年
B⑦ 『万葉集大和風土記』 堀内民一 天理時報社 昭和28年
B⑧ 『紫野雑記』 土田杏村 第一書房 昭和8年
B⑨ 『春婦伝』 田村泰司次郎 銀座出版社 昭和22年
B⑩ 『野鳥雑記』 柳田國男 甲鳥書林 昭和15年
B⑪ 『野草雑記』 柳田國男 甲鳥書林 昭和15年
B⑫ 『土曜夫人』 織田作之助 鎌倉文庫 昭和22年 23年再版
B⑬ 『樋口一葉小説全集』 第三巻 万葉出版社 昭和21年
B⑭ 『断崖の村』 石原文雄 高須書房 昭和21年
B⑮ 『失楽園物語』 繁野天來編 冨山房百科文庫 昭和15年
B⑯ 『九十九谷』 尾崎士郎 甲鳥書林 昭和14年
B⑰ 『鶺鴒の巣』 尾崎士郎 新潮社版 昭和14年
B⑱ 『庭木・盆栽と高山草木』 加藤行作  萩原星文館 昭和9年 8版
B⑲ 『葡萄畑の葡萄作り』 岸田国士訳 白水社 昭和9年

きっと 参はないだろうね。‥‥っと思いつつ手を休めない 性格なのだろう。

B⑭ 『断崖の村』 とB⑯ 『九十九谷』の装丁、挿絵は私の好みの中川一政氏です。
これも楽しみのひとつですね。
中川一政2

中川一政3

中川一政5

中川一政4

中川一政1




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『本棚の埃』壱

【本棚の埃】

古い本のカビけた臭い、決して嫌いではない。
でも、そろそろ処分をしようかと何冊も廃品回収やゴミ箱におくった。
彼が何かの記念に購入した本たちは恨みもせずに旅たっていく。
走り書きが本のどこかに書き綴ってある。読むと捨てられないなんて思いながら‥ 読んでしまう自分がいる。
雑多な分野の不思議な本が捨てられずにとり合えずパソコンに打ち込むのだ。閑だからやっているのだと自分に言いきかせる。

なかには長女の快復記念にと記され、追記として 儚く逝った幼き者への追悼文があった。 おそらく他の人が読む事はないだろうし、解らないだろうが 古本としての価値はないのだから‥。
とにかく 打ち込むことに徹することにした。本が好きだった父の棚は静かだ。

下記はとりあえず19冊ナンバーをつけてみたのだが‥。

A① 『街頭経済学』 小汀利得 千倉書房版 昭和6年
A② 『南国抄』 丹波文雄 新潮社 昭和名作選集 昭和14年
A③ 『風土』 和田伝 教材社 六版  昭和13年
A④ 『沃土』 和田伝 新潮社 昭和名作選集 昭和15年
A⑤ 『亡命十六年』 野坂参三 時事通信社  不明 10円
A⑥ 『新撰長塚節集』 長塚節 新潮文庫 新潮社出版 昭和15年
A⑦ 『萩の島里』  内田守人編  婦女界社 1939  昭和14年
A⑧ 『逆境の勇者』 勝田香月 東京国民書院蔵版  昭和11年
A⑨ 『舞台芸術』 小山内薫 悲劇喜劇選集Ⅰ 早川書房 昭和23年
A⑩ 『資本論読本』 川上貫一 東京 ナカウ社刊 1947 昭和22年
A⑪ 『静かなる思惟』 吉田絃二郎 新潮社 昭和18年
A⑫ 『闘犬図』 石坂洋二郎  新潮社 昭和名作選集 昭和14年
A⑬ 『蒼氓(三部作)』 石川達三 新潮社 昭和名作選集 昭和14年
A⑭ 『人生論ノート』 三木清 創元社 昭和16年
A⑮ 『白い顔』 海上福三郎 竹村書房 昭和13年
A⑯ 『哲学体系』 白水社 アンドレ・クレソン著 川口篤訳 昭和22年 
A⑰ 『鬼涙村(キナダムラ) 』   牧野信一  芝書店 昭和11年
A⑱ 『誌と哲学』 谷川徹三 斉藤書店 谷川徹三選集Ⅰ 昭和22年 
A⑲ 『モーパッサン選集 第貳巻』 佐藤正彰訳他  河出書房 昭和16年

この19冊のなかで、検索でヒットしなかった作家がいた。彼の文章は素晴らしい。同時代に同じ出版社からは太宰治・坪田譲治・丹波文雄・尾崎士郎などが出版されている。

次はどうするかな?
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プロフィール

九六

Author:九六
好きなものを自由に書く、読む、観る、描く。そして遊び愉しむ。
【※】【玖絽・by96・九六・九路・KURO・物部黒彦】【96猫國から発信】
【※】-半世紀分の散らばした気侭綴ゑ-

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